「違う意見を無視するクセ」が誤判断の元となる

人間はまた、自分の考えとは異なる事実を無視してしまう傾向にあります。日常的に、どうしても様々なバイアスによって間違った判断をしてしまうものですが、それはお金に関することでも同じことです。

たとえば、自分が「A商品はダメだ」と思っていたら、どんなにA商品がいいものでも、それに関する情報は無視してしまいがち。さらに人は何かを判断するとき、自分の経験や先入観に左右されて論理的な判断ができないことも少なくありません。

このように、自分の経験や先入観に左右された思い込み以外のことは無視してしまいがちとなると、自分が経験したことがないことからはどんどん遠ざかってしまうことになります。しかし、当然ながら自分の経験したものが世の中のすべてではありません。

自分の経験や先入観に縛られたままだと、新しいことにチャレンジするという判断ができなくなってしまいます。また、自分が損をした経験の影響で「損をする人」の思考回路になっていたとしたら、一生その「損をする人」の体質から抜け出せなくなってしまうのではないでしょうか。過去の経験から学ぶのも大事なことではありますが、それだけに判断をゆだねないようにすることも大切です。

人の判断に影響を与える「プライミング効果」とは

プライミング効果という言葉を知っていますか。人間の判断は直前に与えられた情報に大きく左右されるということを言います。たとえば直前に果物の話をしていると、赤という言葉を聞いたときに「いちご」や「りんご」という言葉を連想してしまいがちになるということです。