これくらいのことであればいいのですが、もっと重要なことになると事情が変わってきてしまいますよね。たとえば「50%の確率で当たるくじ」であったとしても、自分の目の前ではずれくじを引いているのを見ると「やっぱり当たらないんだ」と思ってしまい、くじを引くのをやめてしまう、というようなことです。当たりくじとはずれくじが同数ずつ入っているとわかっていても、直前に得た情報で私たちの判断は変わってきてしまうのです。
このように、客観的な情報よりも直前に得た情報に左右されるということは、私たちの生活に大きな影響を与えているのではないでしょうか。もしお金に関する重要な判断を迫られているときには、直前に得た情報に左右されるのではなく、いったん立ち止まって客観的なデータや情報に基づいて判断するようにしたいものですね。
情報過多の状況に陥ると、まともな判断ができなくなる
人間の頭は、私たち自身が思うよりもずっと簡単に混乱します。たとえば、人間の頭はなんの脈絡もなく言われた数字7個を覚えるのが限界だと言われています。人によってその数に多少の上下はあるものの、そのくらいが限界なのだそう。それ以上言われると覚えきれずに順番を間違えたり、別の数字に記憶を置き換えたりしてしまうと言われています。
営業をやったことのある人だとピンとくるかもしれませんが、お客さんに懸命に説明しているのに「で、結局何が一番いいの?」と言われたことはありませんか。それは相手にとっては情報が多すぎて、混乱している状態ということです。
当然ながら、自分もそうなってしまう可能があります。あまりに多くの情報を与えられると混乱して、理解が追い付かなくなってしまい、「結局何がいいの?」「どれがオススメなの?」と思うようになってしまうというわけです。その状態に何か言われると、「じゃあそれでいいや」と思ってしまい、与えられた答えでGOサインを出してしまうかもしれません。