「子育て」と「介護」のダブルケアで家庭崩壊? 3つの問題点と対処法

最近少しずつ認知度が上がってきている「ダブルケア」という言葉、ご存知ですか。育児と介護が同時にやってくることを言います。最近は、初婚年齢も上がって子どもが生まれる頃に親の介護が必要になってしまうこともあるようです。

そういう事態に陥ると、時間的にも経済的にも大変なことになってしまいますよね。そこで今回は、「ダブルケア」という状況に陥ったときにどうしたらいいかを考えてみましょう。

ダブルケアってどういう状態?

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そもそもダブルケアとはどういう状況なのでしょうか。内閣府男女共同参画局が公表している「育児と介護のダブルケアの実態に関する調査報告書」によると、「晩婚化・晩産化等を背景に、育児期にある者(世帯)が、親の介護も同時に担う」状況を指すとされています。

このダブルケア、わたしたちにとってもそれほど遠くない問題。同調査によると、ダブルケアを行っている人は約25万人です。ダブルケアを担う可能性がある30~59歳の人口は約4,912万人なので、この25万人がその年代に集中しているとすれば、約200人に1人はダブルケアに追われている計算になります。

今は200人に1人なのでまだ実感がないかもしれませんが、この先どんどんダブルケア人口は増えていくことが予想されます。200人に1人ではなく、100人に1人、50人に1人、10人に1人と、どんどん自分たちの問題になっていくかもしれません。

ダブルケアを行う人の多くは30~40歳代です。内閣府の「少子化社会対策白書」によると、初婚年齢の平均は2017年時点で夫が31.1歳、妻が29.4歳となっています。1985年と比較すると、夫は2.9歳、妻は3.9歳上昇していて、晩婚化が進んでいることがわかります。

さらに出生時の母親の平均年齢を見てみると、2017年には第1子が30.7歳、第2子が32.6歳、第3子が33.7歳となっており、第1子を30歳で産んだと仮定するとダブルケアが訪れる30~40歳代というのは一番忙しい時期。子どもの学校行事への参加や部活動、受験のサポートが必要となる時期ですよね。

介護の程度にもよりますが、そんな中で介護と子育ての両立を求められるのはかなり大変そうです。

ダブルケアの3つの問題点とは?

ダブルケアの大きな問題は3つあると考えられます。1つ目は子育てと介護を両立させねばならないことによる時間的な問題、2つ目は介護と育児両方への出費で家族が自由に使えるお金が減るという経済的な問題、3つ目は担い手の偏りという問題です。

子育てを経験したことのある人はピンとくると思いますが、子育てというのは1人でも2人でも本当に大変なものです。子どもが小さいうちは緊張感もあるうえに睡眠時間を十分に取れず、精神的にも時間的にもつらいと思います。夫のサポートが得られないと母親である妻は余計に大変で、家事と育児をしていると1日があっという間ですよね。

夫が自立して自分のことは自分でやるという人でなければ、夫と子どもの世話をしながら家事をして、さらにそこに介護、なんていうトリプルケアという状態も起こりえるわけです。働こうと思っても、そんな状態ではとても働く時間はありません。

ここでもう一つの問題点が見えてきます。ダブルケア(もしくはトリプルケア)問題の当事者になりやすいのは女性です。「育児と介護のダブルケアの実態に関する調査報告書」によると、ダブルケアを行う約25万人のうち、女性は17万人、男性8万人と推計されています。

このように担い手が偏ると、子育てを担う母親、親の介護を担う娘、夫の世話と家のことをする妻、そして社会で働く女性としての4つの顔を求められることも起こりうるわけです。

もちろん男性にもそういう側面があります。女性にこのような役割が求められるのと同様に、男性は2つ目の経済的な問題の当事者になりやすい傾向があるのです。妻が家で育児と介護と家事を担うなら、外でお金を獲得して家に持ち帰るのは夫ということになります。

育児にもお金がかかるというのに介護のお金まで必要になったら相当苦しいでしょう。この状況で「お金がないから」と妻も働くとなると、いよいよ家庭が崩壊しそうになることは想像に難くないですね。

ダブルケアに陥ったとき、私たちができること

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執筆者
  • 大塚 ちえ
  • コラムニスト/ファイナンシャルプランナー

AFP(アフィリエイテッド・ファイナンシャル・プランナー)資格保有。新卒から一貫して証券会社に勤務し、国内株やFX、CFD、先物・オプションなどデリバティブ商品の営業企画に従事。スポーツと音楽が趣味。金融機関勤めで得た知識と経験で、貯金・節約から投資までお金に関する悩みに向き合う。「くらしとお金の経済メディア LIMO」のほか、「Mocha」「DRESS」「CHANTO WEB」などに執筆。