4. NTT株の値動き
同社株は150円台のレンジ内で推移しています。
足元は高値圏の160円台をうかがう展開で、1月につけた年初来高値の161円(2026年1月6日)にタッチできるかが、注目されます。
次に自社株買いの進捗状況と、株主優待として実施されている「dポイント」の受け取り条件について詳しく解説します。
5. 自己株式取得(自社株買い)はどこまで進んだか
NTTは2026年5月8日の取締役会で、自己株式取得を決議しています。その内容は次のとおりです。
- 取得対象株式:普通株式
- 取得し得る株式の総数:14億株(上限、発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合1.72%)
- 株式の取得価額の総額:2,000億円(上限)
- 取得期間:2026年5月11日〜2027年3月31日
NTTは2026年8月3日、この決議に基づく2026年7月分の取得状況を開示しました。7月1日から31日までの1カ月間で、東京証券取引所における市場買付により約2億3,978万株、取得価額総額約360億円を取得したとしています。株式数ベースでは上限14億株の約17.1%、金額ベースでは上限2,000億円の約18.0%まで進捗したことになります。取得期間は2027年3月31日までとまだ8カ月近く残っており、今後の進捗にも注目が集まりそうです。
6. 株主優待でもらえる「dポイント」の受け取り条件
NTTでは、実店舗やECサイト等で多目的に活用できる「dポイント」を株主特典として用意しています。受け取るハードル自体は低いものの、付与スケジュールに独自の仕組みが採用されています。
6.1 権利確定条件と付与ポイント
対象となるのは、毎年3月31日(決算期末)の時点で、100株(1単元)以上を継続して所有している株主です。
6.2 継続所有年数に応じた進呈数
- 2年〜3年未満:1,500ポイント
- 5年〜6年未満:3,000ポイント
6.3 知っておくべき留意事項(ビギナー向け)
一般的な株主優待と異なり、「毎年付与される制度ではない」点に気をつけましょう。ポイントが受け取れるのは2年目ならびに5年目という特定のタイミングに限られます。なお、同一の株主番号で獲得可能な上限値は累計で4,500ポイントまでとなります。
6.4 dポイントの主要な使い道・利用可能場所
付与されたポイントは、日常のショッピングや各種Webサービスでの決済にそのまま充当できます。
- ドラッグストア:ウエルシア、マツモトキヨシ、スギ薬局等
- 飲食店:ガスト、ミスタードーナツ、吉野家等
- コンビニエンスストア:ローソン、ファミリーマート、セブン-イレブン等
- その他の用途:d払いを介したAmazonでの買い物、通信料金の支払い充当、JALマイレージへの交換など
優待内容は、変更・廃止される可能性もあります。詳細は企業ホームページを必ず確認してください。
7. 記者コメント
AI普及に伴うデータセンターの電力・遅延問題を背景に、NTTが主導する「IOWN(光電融合)構想」は、今後の有望な投資テーマの一つとして注目が集まっています。チップ内部まで完全に光化する最終形態の実現には2030年代までかかる見通しですが、2026年には光電融合スイッチを軸とした「IOWN2.0」の商用展開が始まる計画で、実用化に向けた重要な節目を迎えます。周辺部材や関連技術への波及も指摘されており、単なる期待先行のテーマから脱却しつつあるとの見方もあります。次世代インフラを担う10年単位の超長期サイクルとして、足元の業績貢献と将来性を冷静に見極めるべき、息の長い投資テーマと言えるでしょう。
8. 参考
- NTT株式会社「2026年度 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)」(2026年8月6日発表)
- NTT株式会社「自己株式の取得状況に関するお知らせ(会社法第165条第2項の規定による定款の定めに基づく自己株式の取得)」(2026年8月3日発表)
- NTT株式会社「株主さまへのdポイント進呈」
【免責事項】
- 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。投資判断は最新の決算資料や市場動向などをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
- 株主優待の内容や条件などは変更される可能性があるため、必ず公式サイトでご確認ください
高原 祥子
