3. 多様なライフコース年金額「約39年お勤め、平均月収50万円の男性」受給額の目安は?
働き方や生き方が多様化する今、「将来、自分はどのくらいの年金を受け取れるんだろう?」と気になっている人もいるでしょう。
厚生労働省は、今回の年金改定の発表と同時に、多様なライフコースに応じた年金額例も示しています。
ここでは、年金加入経歴を5つのパターン(男性2パターン、女性3パターン)に分類し、「2026年度に65歳になる人」を想定した年金額の概算が提示されています。

出所:厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
3.1 パターン①:男性・厚生年金期間中心
年金月額:17万6793円
- 平均厚生年金期間:39.8年
- 平均収入:50万9000円※賞与含む月額換算。以下同じ。
- 基礎年金:6万9951円
- 厚生年金:10万6842円
出所:【最新データ】老後の「ふつう」が分かる!65歳以上の平均貯蓄額と年金月額は?老後夫婦のリアルな生活費と家計収支を解説
3.2 パターン②:男性・国民年金(第1号被保険者)期間中心
年金月額:6万3513円
- 平均厚生年金期間:7.6年
- 平均収入:36万4000円
- 基礎年金:4万8896円
- 厚生年金:1万4617円
出所:【最新データ】老後の「ふつう」が分かる!65歳以上の平均貯蓄額と年金月額は?老後夫婦のリアルな生活費と家計収支を解説
3.3 パターン③:女性・厚生年金期間中心
年金月額:13万4640円
- 平均厚生年金期間:33.4年
- 平均収入:35万6000円
- 基礎年金:7万1881円
- 厚生年金:6万2759円
出所:【最新データ】老後の「ふつう」が分かる!65歳以上の平均貯蓄額と年金月額は?老後夫婦のリアルな生活費と家計収支を解説
3.4 パターン④:女性・国民年金(第1号被保険者)期間中心
年金月額:6万1771円
- 平均厚生年金期間:6.5年
- 平均収入:25万1000円
- 基礎年金:5万3119円
- 厚生年金:8652円
出所:【最新データ】老後の「ふつう」が分かる!65歳以上の平均貯蓄額と年金月額は?老後夫婦のリアルな生活費と家計収支を解説
3.5 パターン⑤:女性・国民年金(第3号被保険者)期間中心
年金月額:7万8249円
- 平均厚生年金期間:6.7年
- 平均収入:26万3000円
- 基礎年金:6万9016円
- 厚生年金:9234円
出所:【最新データ】老後の「ふつう」が分かる!65歳以上の平均貯蓄額と年金月額は?老後夫婦のリアルな生活費と家計収支を解説
上記のデータからは、厚生年金に長く加入し、かつ収入が高かった人ほど、老後の年金額は多くなる傾向があることが分かります。
現役時代に「国民年金の期間が中心だったか」「厚生年金の期間が中心だったか」により、老後の年金水準が大きく変わるわけですね。
働き盛りの現役世代にとって、いまの働き方や収入は、目前の家計だけではなく、遠い将来の年金額を左右する重要な要素となるのです。
4. 老後資金の不安を減らすために!現役世代が今からできる3つの準備
年金の見込み額と将来の生活費にギャップを感じた方もいらっしゃるかもしれません。しかし、現役世代の今から少しずつ対策を始めれば、将来の安心感を大きく育てることができます。ファイナンシャルアドバイザーの視点からおすすめする3つのステップをご紹介します。
4.1 「ねんきん定期便」で自分の現在地を確認する
まずは、毎年お誕生月に届く「ねんきん定期便」やインターネットの「ねんきんネット」を活用し、ご自身の現在の加入実績と将来もらえる見込み額を確認しましょう。現状の数字を知ることが、すべての計画の第一歩となります。
4.2 iDeCoやNISAで「自分年金」を少しずつ育てる
公的年金だけで不足する生活費を補うため、税制優遇を受けながら資産形成ができるiDeCo(個人型確定拠出年金)やNISA(少額投資非課税制度)を活用するのも有効です。少額からでも、時間を味方につけて長期でコツコツ積み立てることで、将来の大きな支えになります。
4.3 健康に働き続けられる期間を延ばす
老後資金対策として最も確実で効果的なのは「できるだけ長く働くこと」です。65歳以降も無理のない範囲で収入を得られれば、貯蓄の取り崩しを遅らせることができます。また、年金の受け取り開始年齢を遅らせる「繰下げ受給」を選択すれば、受け取る年金額を生涯にわたって増やすことも可能です。まずは心身の健康を大切にすることが、最大の資産防衛につながります。
まとめ
5. まとめにかえて
今回は2026年度の年金額の改定内容や、多様なライフコース別の受給額の目安、そして老後資金を準備するためのポイントについて解説しました。現役時代の働き方によって年金額には大きな差が出ますが、大切なのは「人と比べること」ではなく、「自分らしい老後」に必要な金額を把握し、今から無理なく準備を進めることです。
私自身も多くの方の家計相談を通じて、早めに現状と向き合い、小さな一歩を踏み出した方ほど、将来への不安を手放して明るく過ごされていると感じています。まずはお手元の「ねんきん定期便」を開くところから、ご自身の未来へ向けた準備を始めてみませんか。
参考資料
菅原 美優