9月に入り、日本年金機構から「年金生活者支援給付金請求書」のはがきが新規対象となる年金受給者の方へ順次届き始めています。
2026年度の老齢年金生活者支援給付金は基準額で月5620円。厚生労働省によると、公的年金の平均年金月額は国民年金で5万円台、厚生年金で15万円台にとどまります。
はがきが届いても「何の書類か分からず、そのままにしてしまった」という人は少なくありません。実は、提出が遅れるほど受け取れる金額が減っていく仕組みになっています。
本記事では、はがきの提出期限と給付額の決まり方、2026年度の最新給付額、3種類の給付金の支給要件・申請手続きまで整理します。
1. 「今月から届く請求はがき」提出期限は令和9年1月4日。過ぎると最大4カ月分が消える
日本年金機構は、令和8年9月1日から新たに年金生活者支援給付金の対象となる方へ、順次「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」を発送しています。はがきは自動的に振り込まれるものではなく、提出して初めて受給の手続きが完了します。
提出期限は令和9年1月4日(必着)。この期限までに提出すれば令和8年10月分までさかのぼって受け取れますが、期限を過ぎると請求した月の翌月分からの支給となり、10月分から1月分までの最大4カ月分(老齢の基準額なら最大2万2480円相当)を受け取れなくなります。
1.1 給付額が人によって違うのはなぜ? 保険料納付済期間と免除期間で決まる計算式
老齢年金生活者支援給付金は、基準額(2026年度は月5620円)がそのまま支給されるわけではありません。
実際の給付額は「保険料納付済期間に基づく額」と「保険料免除期間に基づく額」を足し合わせて決まります。2026年度の単価は、納付済期間分が月5620円(基準額と同額)、免除期間分が月1万1768円(昭和31年4月2日以後生まれの場合。以前生まれは1万1734円)で、それぞれを加入可能月数である480カ月で割り、実際の月数分を掛けて計算します。
たとえば保険料納付済期間が240カ月、保険料免除期間が240カ月の場合、納付済分(5620円×240/480=2810円)と免除分(1万1768円×240/480=5884円)を合わせて月8694円となり、基準額の5620円を上回ります。
免除期間の単価は納付済期間より高く設定されているため、免除期間が長い人ほど基準額より多く受け取れるケースがある、という点は見落とされがちです。
2. そもそも「年金生活者支援給付金」とは
厚生労働省の「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、公的年金の平均年金月額は国民年金(老齢基礎年金)で5万円台、厚生年金(国民年金部分も含む)で15万円台です。
しかし上記はあくまでも全体の平均値に過ぎません。
実際の受給額には個人差があり、月額30万円以上受け取っている人がいる一方で、1万円未満のケースも存在します。年金受給額は、現役時代の働き方や年金加入期間によって大きく変わってきます。
もし、年金とその他の所得を含めても一定基準以下となる場合には、「年金生活者支援給付金」を受け取れる可能性があります。
3. 「年金生活者支援給付金」の3つの種類
「年金生活者支援給付金」は、年金収入やその他の所得額が一定基準額以下の年金生活者の暮らしを支えることを目的として、2カ月に一度、年金に上乗せして支給されるお金です。
2019年に始まった比較的新しい制度で、以下3種類の給付金ごとに、給付額や支給要件が設けられています。
- 老齢年金生活者支援給付金(補足的老齢年金生活者支援給付金)
- 障害年金生活者支援給付金
- 遺族年金生活者支援給付金
4. 「年金生活者支援給付金」2026年度の給付額はいくら?
年金生活者支援給付金は、物価変動率を踏まえて年度ごとに見直しがおこなわれます。
2026年度(4月分より)の給付金額は、前年度から+3.2%の増額となりました。
4.1 【2025年度→2026年度】年金生活者支援給付金の支給金額
4.2 3種類の給付金ごとの2026年度基準額
- 老齢年金生活者支援給付金の基準額(月額):5620円
- 障害年金生活者支援給付金(月額):1級7025円・2級5620円
- 遺族年金生活者支援給付金(月額):5620円
老齢年金生活者支援給付金については、上記の基準額をもとに、保険料納付済期間等に応じて実際の給付額が計算されます。
なお、上記はいずれも「月額」です。給付金は偶数月の支給日に、2カ月分がまとめて年金と同じ口座へ、年金とは別に振り込まれます。上記の給付額通りを受け取れる場合、1回の支給で約1万1000円、年額にすると約6万7000円となります。
なお「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2025年3月における平均給付月額(※)は、老齢年金生活者支援給付金4146円、障害年金生活者支援給付金5727円、遺族年金生活者支援給付金5228円でした。
※2025年3月において認定されている平均給付金額です。給付基準額が月5310円だった令和6年度に支給されていた金額のため、2026年度の5620円とは基準が異なります。
5. 「年金生活者支援給付金」の支給要件とは
ここからは、年金生活者支援給付金の支給要件についても見ていきましょう。以下の所得基準額は、令和8年10月分から適用されるものです。
「障害年金生活者支援給付金」と「遺族年金生活者支援給付金」を受け取れるのは、それぞれの基礎年金(障害基礎年金もしくは遺族基礎年金)を受給中で、前年の所得が491万8000円以下の人です。
判定には障害年金や遺族年金などの非課税収入は含まれず、扶養親族等の数に応じて所得基準額は変わります。
なお、老齢年金生活者支援給付金のみ、本人の所得以外に「年齢」と「世帯全体の状況」が支給要件に加わります。次で整理していきましょう。
5.1 「老齢年金生活者支援給付金」の支給要件
老齢年金生活者支援給付金の支給対象となるのは、下記1~3の要件をすべて満たす人です。
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税
- 前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後生まれの方は82万6500円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は82万4100円以下
なお、老齢年金生活者支援給付金の判定にも、障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません。
また「基準額ギリギリで給付対象となる人」との間に不公平感が生じないように、「基準額をわずかに超えて給付対象外となる人」は「補足的老齢年金生活者支援給付金(※)」の支給対象となります。
※補足的老齢年金生活者支援給付金:1956(昭和31)年4月2日以後に生まれた方で82万6500円を超え92万6500円以下である方、1956年4月1日以前に生まれた方で82万4100円を超え92万4100円以下である方に支給されます。所得が増えるにつれて、補足的老齢年金生活者支援給付金の給付額は減ります。