9月に入ると、年金受給者のもとへ「年金生活者支援給付金請求書」のはがきが届き始める時期を迎えます。
日々の生活費や将来のお金のことを考えると、少しでも暮らしにゆとりが欲しいと感じる方も多いのではないでしょうか。
特に年金で生活されている方にとって、公的年金に上乗せされる給付金は心強い支えになります。
この記事では、年金受給者の生活をサポートする「年金生活者支援給付金」について、どのような方が対象になるのか、いくら受け取れるのか、そして手続きはどうすればよいのかを、わかりやすく解説していきます。
なお、年金生活者支援給付金の支給要件や封筒の色ごとの手続き方法に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。本文中の引用部分は引用ブロックで示しています。
1. この記事を読むとわかる3つのポイント
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年金生活者支援給付金は老齢・障害・遺族の3種類。要件を満たせば2カ月に1回振り込まれる -
実際の平均受給額は老齢4146円・障害5727円・遺族5228円と、基準額より低い水準の人が多い -
手続きは年金の受給状況によって3パターン(緑・薄緑・薄橙の封筒)に分かれる
2. そもそも年金生活者支援給付金とはどんな制度?
年金受給者の生活を支えることを目的に、2019年に年金生活者支援給付金制度が創設されました。
受給要件を満たした対象者には、2カ月に1回、公的年金の支給日にあわせて年金生活者支援給付金が振り込まれます。
年金生活者支援給付金には3種類があり、受給する基礎年金の種類に応じて「老齢年金生活者支援給付金」「障害年金生活者支援給付金」「遺族年金生活者支援給付金」にわかれます。
それぞれの所得要件を満たす基礎年金受給者が、この給付金の対象となります。
2.1 【シミュレーション】夫婦そろって対象になったら、世帯の年間受給額は?
老齢年金生活者支援給付金は、夫婦それぞれが老齢基礎年金の受給者であり、それぞれが支給要件を満たしていれば、2人分を受け取れます。夫婦そろって基準額どおり受給できた場合、世帯で年間いくらになるかを試算してみましょう。
- 1人あたりの月額基準額:5620円
- 夫婦2人分の月額合計:5620円×2人=1万1240円
- 年間の受給総額:1万1240円×12カ月=13万4880円
1人分だけを見ると小さな金額に感じられても、夫婦そろって対象になれば世帯としては年間13万円を超える金額になります。ただし、この試算は基準額どおり満額を受け取れた場合の目安であり、実際の給付額は保険料の納付済期間等によってお一人おひとり異なります。
3. 年金生活者支援給付金の対象となるのはどんな人?
年金生活者支援給付金には3つの種類があり、それぞれ所得等の支給要件が設定されています。
「老齢年金生活者支援給付金」・「障害年金生活者支援給付金と遺族年金生活者支援給付金」にわけて、詳細な要件をみていきましょう。
3.1 老齢年金生活者支援給付金の支給条件
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税
- 前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は80万9000円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は80万6700円以下(※2)である。
※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません。
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で80万9000円を超え90万9000円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で80万6700円を超え90万6700円以下である方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
3.2 障害・遺族年金生活者支援給付金の対象者について
- それぞれの年金(障害基礎年金もしくは遺族基礎年金)の受給者である
- 前年の所得(※)が479万4000円以下である(扶養親族等の数に応じて増額)
※ 障害年金、遺族年金等の非課税収入は除く
なお、それぞれの給付金ごとに要件はすべて満たす必要があります。
所得基準を少し超えている場合でも、老齢年金生活者支援給付金には「補足的老齢年金生活者支援給付金」という減額されたかたちの給付があります。基準を1円でも超えたら給付がゼロになるわけではないため、ご自身の年金収入等の合計額が基準に近い場合は、あきらめずに一度確認してみることをおすすめします。
4. 最新データで見る年金生活者支援給付金の支給額と件数
厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、実際に支給された年金生活者支援給付金の平均月額を見ていきましょう。
2025年3月時点の平均給付月額(※)は、老齢年金生活者支援給付金が4146円、障害年金生活者支援給付金が5727円、遺族年金生活者支援給付金が5228円でした。
※2025年3月において認定されている平均給付金額です。
給付金額別の給付件数は以下のとおりです。
4.1 老齢年金生活者支援給付金:給付額ごとの件数内訳
- 1000円未満:7万5101件
- 1000円以上2000円未満:31万4450件
- 2000円以上3000円未満:59万9166件
- 3000円以上4000円未満:108万2177件
- 4000円以上5000円未満:103万4357件
- 5000円以上6000円未満:104万5423件
- 6000円以上7000円未満:18万5291件
- 7000円以上8000円未満:9万3265件
- 8000円以上9000円未満:4万4796件
- 9000円以上1万円未満:1万9891件
- 1万円以上:1万524件
4.2 障害年金生活者支援給付金:給付額ごとの件数内訳
- 5000円以上6000円未満:149万3700件
- 6000円以上7000円未満:68万3466件
4.3 遺族年金生活者支援給付金:給付額ごとの件数内訳
- 1000円未満:ー
- 1000円以上2000円未満:607件
- 2000円以上3000円未満:1569件
- 3000円以上4000円未満:ー
- 4000円以上5000円未満:ー
- 5000円以上:7万5531件
5. 年金生活者支援給付金の申請手続き
では、給付金をもらうにはどのような手続きが必要なのでしょうか。
「手続きが漏れそうで不安」という方もいると思いますが、年金生活者支援給付金の支給対象と判定された人には、日本年金機構から請求書が届きます。
基本的には、書類に必要事項を記入して返送するだけで手続きが完了するので安心しましょう。
ただし、対象となる人の年金受給状況によって、書類形式や手続きタイミングが異なります。ここでは、3つのケースに分けて手続き方法を確認していきます。
5.1 ケース1:これから老齢年金の受給を開始する方(緑色の封筒)
そもそもまだ年金を受給していないという人には、受給開始となる3か月前に、年金受給に必要な「年金請求書(事前送付用)」が送られてきます。
このとき、「年金生活者支援給付金請求書」が同封されています。
必要事項を記入し、年金の請求書とともに「年金生活者支援給付金請求書」を提出しましょう。ただし、請求書は年金受給開始年齢に到達する誕生日の前日からしか提出できないことに注意が必要です。
5.2 ケース2:すでに年金を受給中の方(薄緑色の封筒)
すでに基礎年金を受給中という人も、所得の変動により新たに年金生活者支援給付金が受け取れることがあります。
このような人を対象に、毎年9月1日から「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が郵送されます。
必要事項を記載したら同封の目隠しシールを貼り、差出人欄に住所・氏名を記載したうえで、切手を貼ってポストに投函しましょう。
※支給要件に該当するか確認できない方には、年金生活者支援給付金請求書(A4型)および所得情報等を確認するための所得状況届が届きます。
5.3 ケース3:老齢基礎年金を繰上げ受給している方(薄橙色の封筒)
最後に、老齢基礎年金を繰上げ受給中の方のケースを確認しましょう。
年金生活者支援給付金の受給権が発生すると見込まれる場合、65歳になる誕生月の初旬(1日生まれの方は前月の初旬)に「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が郵送されてきます。
書類が届いた場合、必要事項を記載した上で同封の目隠しシールを貼り、切手を貼ってポストに投函しましょう。
※支給要件に該当するか確認できない方には、年金生活者支援給付金請求書(A4型)および所得情報等を確認するための所得状況届が届きます。
最初こそ手続きが必要となりますが、その後は支給要件を満たす限り継続して受け取れます。
もし支給要件を満たさなくなった場合は、「年金生活者支援給付金不該当通知書」が届き、給付金の支給は停止されます。
なお、2025年1月以降に65歳に到達し、日本年金機構から「年金生活者支援給付金請求書(はがき)」が届いた人は、「電子申請による提出」もできるようになっています。
電子申請により提出した場合は、郵送による提出は不要です。











