5. 監修者コメント:定期預金と比べると、実際どれくらいお得なのか

中本 智恵

ここまでの試算では、個人向け国債単体での受取利息を確認しましたが、「銀行の定期預金と比べてどれくらい違うのか」が気になる方も多いのではないでしょうか。目安として、大手銀行の1年物定期預金の金利を仮に年0.2%として比較してみます(実際の金利は金融機関によって異なるため、あくまで一般的な水準の目安です)。

100万円を10年間、単利で年0.2%の定期預金に預けた場合、受取利息は「100万円×0.2%×10年=20,000円」(税引前)、税金を差し引いた手取りは約15,937円です。

一方、個人向け国債(変動10年)を10年間保有した場合の手取り利息は、前述のとおり149,010円でした。同じ100万円・同じ10年という条件でも、手取りベースで約13万3000円の差が生まれる計算です。もちろん実際の預金金利や個人向け国債の適用利率は今後変動しますが、「元本保証がありながら、預金より高い利回りが期待できる」という個人向け国債の立ち位置は、こうして並べてみるとイメージしやすくなります。

なお、値動きのある商品も含めてより高いリターンを狙いたい場合は、新NISAを使った積立投資という選択肢もあります。定期預金と新NISAの資産差を試算した記事もありますので、あわせてご参考ください。
【月3万円×20年】預金と新NISAの資産差はいくら?『利回り5%の積立投資 VS 金利0.3%の銀行預金』シミュレーションで徹底比較 インフレリスクを踏まえ、『複利効果』のインパクトを解き明かす

個人向け国債は「元本を減らしたくないが、預金よりは増やしたい」という方に向いている一方、新NISAは値動きのリスクを取れる方向けの選択肢です。資金の性格や使う時期に応じて、両者を使い分けることをおすすめします。

6. まとめ

2026年8月募集分の個人向け国債の金利は、変動10年が1.87%、固定5年が2.06%、固定3年が1.71%でした。

シミュレーション結果や現在の金利水準を踏まえ、100万円などの資金で個人向け国債の購入を検討する人もいるでしょう。

あらかじめ設定された金利による利息を確実に受け取るためには、中途換金を行わず満期償還を迎えるまで保有する必要があります。

個人向け国債には「変動10年」「固定5年」「固定3年」という3つの種類が用意されています。

単に金利の高さだけを基準にするのではなく、自身の資金計画に合わせて中途換金をせずに保有し続けられるか十分に検討して選びましょう。

参考資料

中本 智恵