6. 【年代別】厚生年金・国民年金の平均受給月額はいくら?

ここからは、現在のシニア世代が実際に受け取っている年金額を年代別に見ていきましょう。60歳代から80歳代まで、各年齢の平均年金月額を厚生年金と国民年金それぞれで確認します。

なお、ここで紹介する厚生年金の月額には、国民年金(老齢基礎年金)の月額部分も含まれています。

6.1 【厚生年金一覧表】60歳代の平均月額(60〜69歳)

60歳代の厚生年金の平均月額2/10

60歳代の厚生年金の平均月額

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 60歳:9万9664円
  • 61歳:10万4455円
  • 62歳:10万9323円
  • 63歳:6万8758円
  • 64歳:8万3901円
  • 65歳:14万9862円
  • 66歳:15万2378円
  • 67歳:15万2356円
  • 68歳:15万2709円
  • 69歳:15万1284円

6.2 【国民年金一覧表】60歳代の平均月額(60〜69歳)

60歳代の国民年金の平均月額3/10

60歳代の国民年金の平均月額

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 60歳:4万5186円
  • 61歳:4万6371円
  • 62歳:4万7784円
  • 63歳:4万7258円
  • 64歳:4万7896円
  • 65歳:6万1240円
  • 66歳:6万1369円
  • 67歳:6万1345円
  • 68歳:6万1293円
  • 69歳:6万978円

老齢年金の受給は原則65歳から始まります。

65歳未満の金額は、繰上げ受給(※1)を選択した人や、特別支給の老齢厚生年金(※2)の報酬比例部分のみを受け取っている人の年金額であるため、65歳以降よりも低い水準です。

65歳から69歳までの平均年金月額は、厚生年金が14万円~15万円台、国民年金が6万円台となっています。

※1 繰上げ受給:老齢年金を60歳~64歳までに前倒しで受け取ること。繰上げた月数に応じて年金が減額(0.4%/月)され、その減額率は生涯変わりません。
※2 特別支給の老齢厚生年金:昭和60年の法改正で厚生年金の受給開始年齢が60歳から65歳に引き上げられた際、円滑な移行のために設けられた制度。年齢などの一定条件を満たす場合に受け取れます。

6.3 【厚生年金一覧表】70歳代の平均月額(70〜79歳)

70歳代の厚生年金の平均月額4/10

70歳代の厚生年金の平均月額

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 70歳:15万455円
  • 71歳:14万8371円
  • 72歳:14万6858円
  • 73歳:14万5583円
  • 74歳:14万7774円
  • 75歳:15万1410円
  • 76歳:15万1241円
  • 77歳:15万962円
  • 78歳:15万862円
  • 79歳:15万3115円

6.4 【国民年金一覧表】70歳代の平均月額(70〜79歳)

70歳代の国民年金の平均月額5/10

70歳代の国民年金の平均月額

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 70歳:6万1011円
  • 71歳:6万770円
  • 72歳:6万234円
  • 73歳:6万32円
  • 74歳:5万9813円
  • 75歳:5万9659円
  • 76歳:5万9555円
  • 77歳:5万9349円
  • 78歳:5万9124円
  • 79歳:5万8676円

70歳代の平均年金月額は、厚生年金が14万円~15万円台、国民年金が5万8000円~6万円台でした。

6.5 【厚生年金一覧表】80歳代の平均月額(80〜89歳)

80歳代の厚生年金の平均月額6/10

80歳代の厚生年金の平均月額

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 80歳:15万3729円
  • 81歳:15万5460円
  • 82歳:15万7744円
  • 83歳:15万9994円
  • 84歳:16万2555円
  • 85歳:16万3947円
  • 86歳:16万5577円
  • 87歳:16万5557円
  • 88歳:16万6200円
  • 89歳:16万6767円

6.6 【国民年金一覧表】80歳代の平均月額(80〜89歳)

80歳代の国民年金の平均月額7/10

80歳代の国民年金の平均月額

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 80歳:5万8623円
  • 81歳:5万8269円
  • 82歳:5万8003円
  • 83歳:5万7857円
  • 84歳:5万9675円
  • 85歳:5万9425円
  • 86歳:5万9228円
  • 87歳:5万9204円
  • 88歳:5万8756円
  • 89歳:5万8572円

80歳代の平均受給額は、厚生年金が15万円~16万円台、国民年金が5万8000円~5万9000円台です。

どの年代でも平均年金月額に大きな差は見られませんでしたが、これはあくまで「各年齢の平均」である点に注意が必要です。老後に受け取る年金額は、現役時代の年金加入状況によって一人ひとり異なります。

7. 【男女差・個人差】年金受給額のリアルな分布と「天引き」の実態

実際に受け取る年金は、ひとりひとりの年金加入履歴によって個人差・男女差が出ます。

ここでは、よりリアルな受給額の分布と、見落としがちな「天引き」について見ていきましょう。

7.1 厚生年金《平均月額の男女差・個人差に着目》

厚生年金《平均月額の男女差・個人差》8/10

厚生年金《平均月額の男女差・個人差》

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

〈全体〉平均年金月額:15万289円

  • 〈男性〉平均年金月額:16万9967円
  • 〈女性〉平均年金月額:11万1413円

※国民年金の金額を含む

厚生年金(国民年金を含む)では、月額1万円未満から30万円以上まで受給額が幅広く分布しており、個人差の大きさがわかります。

また、男女全体の平均年金月額は15万円台ですが、男性の平均は女性より約6万円高くなっています。

7.2 国民年金:平均月額の男女差と個人差

国民年金《平均月額の男女差・個人差》9/10

国民年金《平均月額の男女差・個人差》

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

〈全体〉平均年金月額:5万9310円

  • 〈男性〉平均年金月額:6万1595円
  • 〈女性〉平均年金月額:5万7582円

国民年金の平均年金月額は、男性が6万円台、女性が5万円台です。

3万円未満の人も一定数いますが、最も多いボリュームゾーンは「6万円以上~7万円未満」で、満額に近い金額を受け取っている人が多いことがうかがえます。

7.3 額面通りには支給されない!? 年金から「天引き」されるお金の正体

平均受給額やご自身の「年金見込額」を見て、「これくらいもらえるなら何とか生活できそう」と安心するのは少し早いかもしれません。

見落としがちですが、公的年金も現役時代の給与と同様に、額面から「税金」や「社会保険料」が天引きされる仕組みです。年金から天引きされるのは、主に「所得税・住民税」「健康保険料(後期高齢者医療保険料)」「介護保険料」です。

では、実際にいくら引かれているのでしょうか。総務省の「家計調査報告(2025年)」から、65歳以上の無職世帯が毎月支払っている税・社会保険料(非消費支出)の平均額を見てみましょう。

【65歳以上無職世帯の税・社会保険料(月額平均)】

  • 夫婦世帯:3万2850円(直接税1万2547円、社会保険料2万296円)
  • 単身世帯:1万2990円

65歳以上の夫婦世帯の場合、毎月の実収入(平均25万4395円)から約3万3000円が天引きされています。

つまり、実際に生活費として使える「手取り(可処分所得)」は、平均で22万1544円まで減ってしまうのが現実です。

8. まとめ:まずは自分の「年金見込額」を把握することから

2026年度の公的年金は4年連続の増額改定となりました。しかし、J-FLEC(金融経済教育推進機構)の「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」によると、60歳代および70歳代世帯の約9割が、現在の年金生活に対して「ゆとりがない」と回答しています。

その理由として最も多く挙げられているのが「物価上昇」であり、いずれの世代においても半数以上を占めました。公的年金は物価や賃金の変動に応じて改定されますが、マクロ経済スライドによる給付水準の調整機能が働くため、急激な物価上昇のペースには追いつきにくい仕組みとなっています。

結果として、支給額面が増加しても、生活における実質的な価値は目減りしやすい傾向にあります。将来の生活を安定させるためには、こうした年金制度の仕組みを正しく理解したうえで、計画的な資産形成を並行して進めていくことが求められます。

9. 筆者からのコメント

熊谷 良子

「ねんきん定期便」などで将来の受給見込額を確認する際は、額面をそのまま受け取るのではなく、『見込額の85~90%程度が実際の手取りになる』と少し厳しめに見積もって老後の生活設計を立てることをおすすめします。

なぜなら、年金収入にも「公的年金等控除」という税制上の優遇措置があるものの、一定額を超えると所得税や住民税、社会保険料が天引きされるからです。

公的なデータを読み解き、こうした仕組みを理解したうえで、早めに自分ごととして資金計画を立てることが、将来の安心につながります。

 

参考資料