- S&P500は1.48%高・ダウは1.32%高と続伸
- オラクル+9.22%などAI・大型テックが急伸
- 医薬はアストラゼネカ▲6.88%などが下落
S&P500種株価指数とダウ工業株30種平均は、そろって1%を超える上昇となりました。7月末に集中した大型テックの決算シーズンが一巡し、AI(人工知能)・クラウド関連への買いが相場全体を押し上げています。とりわけオラクルが約9%高と際立ち、メタやマイクロソフト、アルファベット、アマゾンといった巨大テックが軒並み値を上げました。一方で、業績が景気に左右されにくい医薬・ヘルスケアは売られました。
1. サマリー——指数はそろって続伸、AI・ハイテクが牽引
主要指数はともに上昇。S&P500は前日比1.48%高の7,600.50、ダウ工業株30種平均は1.32%高の5万3,178.41で引けています。
上げ幅の中身を見ると、時価総額の大きいAI・大型テックが軒並み買われたことが指数を押し上げており、一部のディフェンシブ株の下落を吸収して余りある全面高となりました。決算発表という直接の手がかりが乏しいなかでの上昇は、AI関連の設備投資が続くという期待が、いまだ相場の底流にありそうです。
2. 買われた銘柄・売られた銘柄(前日比)
2.1 買われた銘柄
- オラクル +9.22%
- メタ・プラットフォームズ +6.02%
- マイクロソフト +4.93%
- アルファベット +4.88%
- アマゾン・ドット・コム +4.58%
- エヌビディア +2.93%
2.2 売られた銘柄
- アップル ▲1.78%
- メルク ▲1.87%
- アッヴィ ▲2.33%
- イーライ・リリー ▲2.39%
- テキサス・インスツルメンツ ▲2.43%
- アストラゼネカ ▲6.88%
3. 買われた銘柄・売られた銘柄の詳細動向——AIソフトの象徴オラクルが急伸
上昇を象徴したのがオラクルで、9.22%高と急伸しました。クラウドとAI向けインフラへの需要拡大への期待が集まりやすく、AIの「土台」を担う企業として買われた形です。SNS・広告のメタが6.02%高、ソフトウェアのマイクロソフトが4.93%高、検索・クラウドのアルファベットが4.88%高、EC・クラウドのアマゾンが4.58%高と、巨大テックがそろって上昇しました。半導体のエヌビディア(+2.93%、次回決算は8月26日)まで買われた点は、AIの設備投資が続くという期待の強さを映しています。
対照的に売られたのが、医薬・ヘルスケアです。アストラゼネカが6.88%安と大きく下げたほか、イーライ・リリー(▲2.39%)、アッヴィ(▲2.33%)、メルク(▲1.87%)と総じて軟調でした。景気に業績が左右されにくいディフェンシブ株から、成長期待の高いAI関連へと資金が移る、典型的なローテーションが起きたとみられます。iPhoneのアップルも1.78%安と、前回の決算以降の重い値動きが続いています。
4. セクター動向——AI・ソフトウェアに資金集中、ディフェンシブ医薬が逆風
この日の相場は「AI・ソフトウェアへの一極集中」が鮮明でした。オラクルやパランティア(+2.10%)、パロアルト・ネットワークス(+4.61%)といったソフト・セキュリティ勢に加え、半導体製造装置のアプライド・マテリアルズ(+2.08%)も買われ、AIの周辺まで物色が広がっています。消費関連でもテスラ(+3.49%)、資本財のGE(+2.46%)やキャタピラー(+1.87%)が上昇し、景気敏感株にも買いが入りました。
一方、明確に売られたのが医薬・ヘルスケアです。アストラゼネカの急落を筆頭に、リリー、アッヴィ、メルク、ジョンソン・エンド・ジョンソン(▲0.76%)と広く下げました。エネルギーもシェブロン(▲1.85%)などがさえず、景気・AIテーマから外れたディフェンシブ・資源系が、資金流出の受け皿になった一日といえます。
5. 元機関投資家イズミダの視点:決算が一巡しても続く、AIへの「先取り」
私がこの日の相場で注目したのは、めぼしい決算材料がないなかで、それでもAI・大型テックが買われ続けたことです。決算シーズンはすでに一巡し、数字という直接の手がかりは乏しい。にもかかわらず相場が上昇したのは、市場がクラウド各社の巨額なAI投資計画を、その先の需要として「先取り」し続けているからです。オラクルの急伸や、決算前のエヌビディアまで買われる動きは、その象徴といえます。
裏を返せば、これは期待だけが先行するリスクもはらみます。ディフェンシブの医薬から成長期待のAIへと資金が一方向に流れる相場は、勢いがある一方で、テーマが崩れたときの反転も大きくなりがちです。私がいつも言うように、株式投資は「なんでも鑑定団」と同じで、大事なのは値決めです。良い会社であることと、いまの値段が適正であることは別の問題です。8月26日のエヌビディアの決算が、この先取りされた期待を数字で裏づけられるか。そこが当面の最大の注目ポイントになります。

