通信販売大手のベルーナ<9997>は、毎年3月末と9月末を基準日として株主優待や配当の権利が確定する銘柄の一つです。

3月期決算企業の中間期末にあたるこの9月30日に権利確定が集中することもあり、個人投資家の関心が高まりやすい時期でもあります。

同社が7月31日に発表した2027年3月期第1四半期(2026年4〜6月)決算では、売上高521億8,500万円(前年同期比+2.7%)、経常利益13億6,900万円(同+8.8%)、四半期純利益9億3,900万円(同+27.2%)と伸びを確保した一方、営業利益は12億4,400万円(同▲21.8%)にとどまるなど、増収減益の要素が入り混じる内容でした。

決算を読み解くと、全社の営業利益のうち9割近くを「データベース活用事業」が占めるという、通販会社らしからぬ収益構造が見えてきます。ただしこれは、他のセグメントの落ち込みが一因でもある点に注意が必要です。

1. 最新決算からひも解く企業の強み

ベルーナは通販事業を核に、プロパティ、グルメ、ナース関連、呉服関連、化粧品健康食品、データベース活用など8セグメントを展開しています。

2027年3月期第1四半期の決算は以下の通りです。

  • 売上高:521億8,500万円(前年同期比+2.7%)
  • 営業利益:12億4,400万円(同▲21.8%)
  • 経常利益:13億6,900万円(同+8.8%)
  • 四半期純利益:9億3,900万円(同+27.2%)

通期予想(売上高2,210億円、営業利益175億円など、5月13日公表から変更なし)に対する進捗率は、売上高23.6%、営業利益7.1%にとどまります。

もっとも前期(2026年3月期)も進捗率9.7%から最終的に前期比+38.6%の増益で着地しています。進捗率の低さだけで即断せず、次回の第2四半期決算を確認したいところです。

営業利益の減益は、プロパティ事業(不動産取得税や海外ホテルの損失で2億8,000万円の減益要因)と化粧品健康食品事業(広告宣伝費増加や海外在庫適正化で2億9,000万円の減益要因)の落ち込みが主因です。加えて、2026年4月施行の税制改正に伴う外形標準課税の増加影響も4,000万円の減益要因となりました。

一方、呉服関連事業は引き続き赤字ながら赤字幅が縮小(前年同期の11億4,000万円の赤字から10億7,300万円の赤字へ)し、アパレル・雑貨事業も増益となるなど、他セグメントの改善が減益幅を一定程度和らげています。

1.1 営業利益の9割を占める「データベース活用事業」、その中身は

売上規模で最大なのは主力のアパレル・雑貨事業(売上高196億1,500万円、全社の約37.6%)ですが、営業利益は4億1,700万円、利益率2.1%にとどまります。

対して、売上高54億300万円(全社の10.3%)にすぎない「データベース活用事業」は営業利益11億1,900万円、利益率20.7%と、全社営業利益12億4,400万円の9割近くを占めました。

ただしこの「9割」は同事業自体の急拡大ではなく、前年同期比ではほぼ横ばい(同1.3%減)です。実態は、プロパティ事業が減益となったほか、化粧品健康食品事業が黒字から赤字に転落するなどして全社の利益全体が縮小したことで、相対的に比率が押し上げられた面が大きい点は割り引いて見る必要があります。

同事業は、法人向け封入・同送サービス(減収減益)とフルフィルメント受託サービス(人件費・物流コスト増で増収減益)、そして子会社サンステージが手掛ける消費者金融「ファイナンス事業」(貸付残高が計画通り進捗し増収増益)の3事業で構成されます。

ファイナンス事業は通販事業で蓄積した利用履歴を活用した独自の与信を強みとしており、通販事業と切り離された単体の貸金業ではなく、通販事業の顧客基盤を土台にした周辺事業と位置付けられます。3事業のうち、封入・同送サービス事業とフルフィルメント受託サービス事業が減益となるなか、ファイナンス事業だけが増収増益となっており、この違いがセグメント全体の利益をほぼ横ばいの水準に留める一因になったとみられます。