半導体大手の決算が、赤字からの反転した。ルネサスエレクトロニクス(6723)の直近の中間決算は営業利益がおよそ3倍に膨らみ、前年同期の赤字から黒字へ転じた。株価は8月3日に前日比で約1割上昇している。
数字と会社の説明から、回復の中身を確かめたい。
※本記事中の株価は、過去の株式分割の影響を調整した値を使用しています。
8月3日に約1割高。直近1カ月の株価
株価は7月に入って下値を探る展開が続いた。月初は4,700円台だったが、中旬から下旬にかけて水準を切り下げ、7月29日には3,170円まで下落した。
ところが決算発表をはさんだ8月3日、終値は3,905円と前日比で約1割上昇している。直近1カ月では下げ場面が目立ったが、当日の急伸で下げ幅を取り戻した。
半導体関連の物色や決算内容が意識された可能性はあるが、短い値動きの背景を一つに絞るのは難しい。
株価評価は、8月3日時点でPBR2.5倍となっている。PERは、前期通期が最終赤字だったため意味のある数値としては示しにくい。
株価は目先の指標よりも、業績が黒字基調へ戻るかどうかを見て動きやすい局面にある。
中間は営業利益3倍、赤字から黒字へ
2026年12月期2Q(中間)は、売上収益が7,987億円(前年同期比+25.9%)、営業利益が1,927億円(同+214.3%)となった。
親会社の所有者に帰属する中間利益(IFRS)は2,173億円で、前年同期の1,753億円の赤字から黒字に転じている。
前年同期は営業外の金融費用が重く最終赤字となっていたが、その反動もあって利益の見え方が大きく改善した。2Q単体でみても営業利益は1,021億円と、前年同期の398億円から大きく伸びた。
回復は中間に限らない。2026年12月期1Qの段階でも、営業利益は前年同期比プラス320.7%と大きく伸びていた。
前の期は市場の軟化や流通在庫の調整で自動車・産業向けの需要が落ち込んでいたが、その反動もあって足元は採算が戻ってきている。
前期通期は売上収益が1兆3,212億円、営業利益が2,012億円で、最終損益は517億円の赤字だった。中間で黒字に転じた意味は小さくないだろう。
稼ぎ頭は自動車と産業。地域では中国が最大
社内管理ベースのセグメントでは、自動車向け事業と産業・インフラ・IoT向け事業が二本柱だ。
中間のセグメント営業利益は自動車向けが1,261億円、産業・インフラ・IoT向けが1,318億円と、いずれも前年同期から大きく伸びた。
地域別の売上収益では中国が最も大きく、アジアや日本が続く。車載半導体と産業用途を軸に、地域を広げて稼ぐ構図である。
事業別では自動車向け事業と産業・インフラ・IoT向け事業、地域別では中国について、今後の株価をうらなうカギとして追っていきたい。
