4. 【元証券FAである監修者試算とアドバイス】年収450万円で受け取れる老後の年金はいくらか?受給額シミュレーション
ここまで、現役FAより「50代に多いお金の悩み」や「50代からの新NISA活用法」、「手元資金の色分け」について解説しました。
新NISAを活用した資産運用について考える際、まずは老後までにいくら準備したらよいのか具体的に試算することが大切です。
それには、老後生活の土台となる「将来もらえる公的年金の額」を把握しておく必要があります。
元証券会社で富裕層を担当していた監修者の経験では、「年金だけでは生活費として不足する金額を、資産運用で補填するにはどうしたらよいのか」逆算して計画を立てている方が多い傾向にありました。
ここからは、元証券会社のファイナンシャルアドバイザーであった監修者の視点から、「平均年収450万円で働いてきた会社員の方」を例に、将来受け取れる年金額のシミュレーションと、資産運用のポイントを解説します。
4.1 老後資金の計画を立てよう「平均年収450万円(会社員)」年金受給額目安を試算
「生涯の平均年収が450万円」で民間企業などで38年間働いた会社員の場合、老後にどれくらい公的年金を受給できるのか額面を試算します。
老後受給できる公的年金の試算条件
・2003年4月以降、厚生年金に38年間加入している会社員
・国民年金:20歳~60歳までの40年間のうち、学生納付特例(追納なし)などにより実質納付期間は38年
・「報酬比例部分」に焦点を合わせるため、「経過的加算」と「加給年金額」は含めずに試算
2003年4月以降に38年間厚生年金に加入し、生涯の平均年収を450万円と想定した場合、賞与を含めた年収をベースにして12等分した平均標準報酬額の目安は「約37万5000円」です。
この条件で簡易的な試算をすると、厚生年金の額面は月額約7万8000円になります。
また、20歳~60歳まで保険料を納付した実績が38年間と仮定すると、国民年金の額面は月額約6万7000円です。
あくまでも試算結果ではありますが「平均年収450万円で38年間勤続した人」は、厚生年金と国民年金を合算して額面で月額約14万5000円受給できる見込みです。
4.2 元証券FAの視点「資産寿命」を延ばすための出口戦略のアドバイス
数多くの資産形成をお手伝いしてきた経験からお伝えしたいのは、50代からの資産運用において「お金を増やすこと」と同じくらい「守りながら効率よく使う(取り崩す)」という出口戦略が重要だということです。
60代以降は、これまで積み立ててきた資産を取り崩しながら年金の不足分を補填していく時期に入ります。
このとき、資産をすべて現金化して口座に置いておくと、物価上昇(インフレ)によってお金の実質的な価値が目減りしてしまうリスクがあります。
たとえば資産形成の選択肢の1つとして、新NISAを活用し運用を継続しながら、必要な分だけ毎月・毎年少しずつ取り崩していくと、資産の減少スピードを抑え「資産寿命」を延ばすことが期待できます。
50代からの資産形成のポイントとして、まずはご自身の「ねんきん定期便」などで将来もらえる年金額を確認し、老後生活費とのギャップ(不足分)を可視化することからはじめてみてください。
不足額さえ見えれば、あとは手元資金の色分けを行い、無理のない分散投資を実践するだけです。
人生100年時代に向けて、自分にあった資金計画を立ててみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 公益財団法人生命保険文化センター「老後の生活費はいくらくらい必要と考える?」
- 金融庁「NISA特設ウェブサイト」
- 日本年金機構「は行 報酬比例部分」
- 日本年金機構「老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額」
徳田 椋
