株式市場の振り返り-日経平均株価は約2年ぶりに9連騰、一時22,000円台回復
2019年9月13日(金)の主要指標(カッコ内は前日終値比)
- 日経平均株価 21,988円(+228円、+1.1%) 9日続伸
- TOPIX 1,609.8(+14.7、+0.9%) 7日続伸
- 東証マザーズ株価指数 847.7(▲7.3、▲0.9%) 続落
東証1部上場銘柄の概況
- 値上がり銘柄数:1,555、値下がり銘柄数:527、変わらず:69
- 値上がり業種数:32、値下がり業種数:1
- 年初来高値更新銘柄数:104、年初来安値更新銘柄数:3
東証1部の出来高は18億68万株、売買代金は3兆3,348億円(概算)となり、いずれも前日より増加しました。引き続きリスクオンモードが継続したことに加え、メジャーSQ清算値の算出日に伴う数千億円の嵩上げ効果もあったため、久々に活況な商いとなりました。
売買代金は久々に3兆円を超えて今年最高金額となり、約9カ月ぶりの高水準となっています。
そのような中、日経平均株価は戻り高値を試す展開となりました。寄り付き直後こそ一時+61円高と緩やかな上昇でしたが、その後は上げ幅を拡大する値動きとなりました。そして、大引け直前には一時+260円高まで上昇し、5月7日以来となる22,000円台を付ける場面も見られています。終値は22,000円をやや割り込みましたが、これで9日続伸となりました。
ちなみに、日経平均株価の9連騰は、2017年10月2日~24日にかけて記録した16連騰(注:これは連騰最高記録でもあります)以来となる約2年ぶりのことです。
なお、TOPIXも同じような値動きで7日続伸となり、昨年11月22日~12月3日にかけて記録して以来となりました。また、終値では今年4月26日以来となる約4カ月半ぶりに1,600ポイントを回復しています。
東証マザーズ株価指数は続落、売買代金は28日連続で1,000億円を下回る
東証マザーズの出来高は4,134万株、売買代金623億円となりました。出来高は前日より減りましたが、売買代金は小幅増加となっています。大型株式市場では相応に活況な商いが続く一方で、新興市場では個人投資家の物色意欲が続かず、商いに回復の兆しが見えません。売買代金は28日連続で1,000億円を下回りました。
さらに、株価指数も続落になるなど、こちらも大型株式市場と好対照の結果です。依然として900ポイント回復は遠いようですが、今後の展開は個人投資家の投資マインド回復次第と言えましょう。
ソニーやトヨタ自動車が連日の年初来高値更新、前日爆騰のZOZOは小幅反落に
個別銘柄では、ソフトバンクグループ(9984)が大幅高となり、前日に下落した楽天(4755)も反発し、NTTドコモ(9437)は11日連続で年初来高値更新となりました。
また、ハイテク株の一角にも買戻しが続き、ソニー(6758)が連日で年初来高値を更新し、アドバンテスト(6857)とオリンパス(7733)も再び年初来高値更新となっています。さらに、半導体関連銘柄では信越化学工業(4063)も連日で高値更新でした。
その他では、機械株でSMC(6273)、自動車株でトヨタ自動車(7203)がともに連日の年初来高値更新となったことが目を引きました。
なお、前日に爆騰したZOZO(3092)は小幅反落となって依然としてTOB価格(2,620円)を下回る、ある意味での“異常事態”となっています。また、そのZOZOを買収する予定のヤフー(4689)は大幅高となりました。
一方、数少ない値下がり銘柄の中では、ハイテク株の一角が利食い売りに押され、東京エレクトロン(8035)、TDK(6762)、NEC(6701)、日立製作所(6501)などが値を下げました。
また、自動車株では年初来高値更新を続けていたSUBARU(7270)が反落し、野村ホールディングス(8604)や大和証券グループ本社(8601)など証券株も冴えない値動きだったようです。
その他では、前日にQ3累計決算を発表した神戸物産(3038)が、会社側業績予想の据え置きがタピオカブーム終焉を連想させたことで一時▲8%安に迫る急落となったことが話題となりました。
新興市場(東証マザーズ)では、ZOZOのヤフー傘下入りで競争激化が懸念されるメルカリ(4385)が一時▲5%超安の急落となりました。また、SOU(9270)は値を下げて年初来安値を更新しています。一方、ブシロード(7803)は小幅反発となりました。
葛西 裕一