半導体は好況だという語り口と、目の前の決算がかみ合わない銘柄がある。シリコンウェハー大手のSUMCO(3436)だ。
株価は直近1カ月で大きく上下し、7月31日は3,357円で引けた。8月に控える2Q決算の発表を前に、株価の振れについてたどってみたい。
※本記事中の株価は、過去の株式分割の影響を調整した値を使用しています。
1カ月で5,300円台から2,800円台へ、そして反発
株価の振れは大きかった。7月中旬には5,307円と月内で高い水準をつけたが、そこから下旬にかけて水準を切り下げ、7月30日には2,857円まで下落した。ほぼ月内の高値から3割超下げた計算になる。
翌7月31日は3,357円と前日比で約2割戻している。半導体関連への物色や市況観の変化が意識された可能性はあるが、短い期間の急変だけに、背景を一つに絞るのは難しい。
値動きの荒さそのものが、市場がこの銘柄の先行きを測りかねていることを映してもいるだろう。
株価評価は、7月31日時点でPBR2.06倍となっている。PERは足元の利益がマイナスのため、意味のある数値としては示しにくい局面にある。
利益が出ていない以上、株価は目先の業績よりも、需要回復後の姿をイメージして動きやすい。だからこそ、市況観の変化に対して株価が敏感に反応しやすい地合いにあるといえる。
直近1Qは営業赤字。会社が語る二極化
2026年12月期1Qは、売上高が1,014億円と前年同期比マイナス1.0%、営業損失53億円、経常損失80億円、親会社株主に帰属する四半期純損失85億円となった。前期の2025年12月期も、通期の営業利益が13億円とほぼ消え、最終損益は118億円の赤字だった。
半導体市場はメモリー価格の上昇で金額ベースでは伸びた一方、数量では二極化が続く。主力の300mmウェハーはAI・データセンター向けの先端ロジックとメモリーが好調だが、非先端品は顧客の在庫適正化が続き、200mm以下は最終製品需要の停滞で低調だという。
つまり、AI向けの強さと、それ以外の弱さが同居している。「半導体はAIで好況」という括りでは、この会社の足元は捉えきれない。この点に注意しながら今後も追っていく必要があるだろう。
