この記事の読みどころ

  •  株で儲けるためにはどの資格を取ったらいいですかと聞かれたら、あなたはどう答えますか?
  •  比較的お勧めできる証券系の資格について、レビューします。
  •  その上で、この質問に対する本質的な回答をさせていただきます。

これは実は面と向かって聞かれた質問ではなく、検索ワードに「株 儲ける 資格」で私のサイトに辿り着く人がぱらぱらいるので、ああそういう発想があるのかと思ったのでネタにする次第です。そういえば大学生くらいまでは私もそういうことを考えていたような気がするので、当時の気持ちを思い出しながら、まとめます。

案1:証券アナリスト

まずはこれでしょうか。不動産に関する資格は不動産鑑定士や宅建などいくつかあるのですが、株式投資に関する資格って驚くほど少ないんですよね。実質、証券アナリストくらいしか無いと言っても過言ではないでしょう。証券外務員も目的が違いますし、ファイナンシャルプランナー(FP)も株に関する知識自体がほとんど入っていません。

試験はわりと難しいのですが、金融機関に勤めて資産運用系に配属されていれば、必修に近い資格です。初心者が学習を通じて、ファイナンスの基礎とか、企業価値評価の基礎とか、株に関する用語が一通り学べるという感じでしょうかね。業界の、共通言語を学ぶための資格、というふうに私は理解しています。

とりあえず取っておくと、「経済記事を読んだが、意味がさっぱりわからない」ということはかなり減るでしょう。まあテキストくらいは、買って読んでみる価値はあるでしょう。これを取ったからと言って、すぐに株で儲けられるようになるかというとそんなことはありませんが。

案2:日商簿記2級

あとは日商簿記ですかね。1級は難しくて私も挫折しましたし、3級は簡単すぎて受ける意味すらほとんど無いので、2級がお勧めです。独学でも2〜3か月くらいきちんと勉強すれば、受かる人が多いんじゃないですかね。経理の基本的な知識(実務とは違います)が身に付く資格です。

これを理解しておくと何が良いかというと、企業が発表している財務諸表が読めるんですよね。ニュースを見ていても、損益計算書と貸借対照表が頭に浮かぶので、「あれ、今のおかしいな」とわかるようになります。インチキ経営者が使う数字のマジックには、引っ掛かりにくくなります。

ファンダメンタル分析といって、個別の企業の業績を分析すれば株価の割高・割安がわかる、ということにも一応なっています。金融機関による審査も財務諸表を分析するのですが、まあ一般の方が、公表されている資料だけで適性株価や企業の倒産の予兆まで見抜けるかと言えば、そこまでは難しいと思います。

それでも、簿記の知識はあるに越したことはありません。社会人としても、身につけておくべき技能だと思いますから、株式投資とは関係無く、勉強することを推奨します。