1. この記事を読むとわかる3つのポイント

  • 東京市場が3日ぶりに反発するなか、サンリオは朝方に年初来高値を更新する堅調な値動き
  • 直近の本決算(2026年3月期、6月23日発表)は5期連続の増収増益で、売上高・利益ともに過去最高を更新
  •  次回の決算(2027年3月期第1四半期、8月10日発表予定)を前に、本決算の内容と事業モデルの強みをおさらいする

2026年7月30日の東京株式市場は、3営業日ぶりに反発しました。

前日の決算発表を受けて半導体製造装置大手のアドバンテスト(6857)が急伸したほか、一部の半導体関連銘柄に買い戻しが入り、相場全体を牽引する展開となりました。

こうした地合いのなか、サンリオ(8136)も朝方に1,389.5円まで買われ、一時年初来高値を更新するなど堅調な値動きを見せました。終値は前日比10.5円高(+0.78%)の1,353.5円となっています。

足元の相場は「半導体売り・ディフェンシブ買い」といったこれまでの明確なセクターローテーションから一服し、それぞれのセクター内で個別に銘柄を選別する動きが強まっているとみられます。

本記事では、こうした株価の動きの背景にある最新決算の中身と、サンリオの事業モデルの強みを解説します。

※本記事で取り上げる決算は、2026年6月23日に発表された2026年3月期の本決算(通期)です。次回の決算(2027年3月期第1四半期)は2026年8月10日に発表が予定されており、本記事はそれを前に、直近の本決算の内容をおさらいする内容です。

2. 決算のおさらい:5期連続の増収増益で過去最高を更新

サンリオの2026年3月期の連結決算は、売上高1,940億円(前期比33.9%増)、営業利益778億円(同50.3%増)、経常利益793億円(同48.4%増)、純利益546億円(同30.9%増)となりました。

5期連続の増収増益で、いずれの項目も過去最高を更新しています。

2.1 そもそもサンリオはどう稼いでいるのか:ライセンス収入が中心の「アセットライト経営」

サンリオの売上高構成比は、キャラクターグッズを企画・販売する物販事業が36%であるのに対し、キャラクターの使用許諾料を受け取るライセンス事業が54%と過半を占めます。

ライセンス事業は工場や店舗といった重い資産を持たずに収益を積み上げられる、いわば「アセットライト(資産身軽)」なビジネスです。

この体質の良さは財務指標にも表れています。自己資本比率は66.4%(前期末から13.5ポイント上昇)、自己資本利益率(ROE)は41.6%、売上高営業利益率は40.1%と、いずれも高水準です。少ない資本で効率よく稼ぐ構造になっていると言えそうです。

2.2 強みの中心は「ハローキティ依存からの脱却」

好業績を支えているのが、「ハローキティ」一本足打法からの脱却です。

売上総利益に占めるハローキティの構成比は、2016年3月期の60.6%から2026年3月期には37.3%まで低下した一方、クロミやマイメロディ、ポムポムプリンといった「その他キャラクター」の比率は46.5%まで拡大しました。

周年施策や複数キャラクターの起用が、特定のキャラクター人気に依存しない収益構造づくりにつながっているようです。

2.3 キャラクターポートフォリオの推移

キャラクターポートフォリオの推移1/1

キャラクターポートフォリオの推移

出所:決算説明資料

こうして見ると、この10年でハローキティ一強の構図が大きく崩れ、複数キャラクターへの分散が進んできたことがわかります。

2.4 地域別に見ると、アジア・欧州の伸びが際立つ

2026年3月期の売上高を地域別に見ると、日本が1,135億円(前期比32.1%増)、アジアが380億円(同62.6%増)、欧州が115億円(同83.6%増)、北米・南米が311億円(同5.4%増)となりました。

とりわけアジアは中国での店舗網拡大(前期比31店舗増の59店舗)、欧州はグローバルファストファッションブランドとのアパレル展開が伸びをけん引しており、成長スピードが目立つ結果となっています。