NISAを始めたものの、「具体的にどんな商品を選び、どう運用していけばいいのか分からない」という声をよく聞きます。

制度の非課税メリットは理解していても、無数にある投資信託の中から自分に合ったものを見つけ出し、適切な金額を配分するのは簡単ではありません。

特に、「今のタイミングで買って大丈夫なのか」という投資タイミングへの不安は、多くの人が一度は抱くものです。

この記事の3つのポイント

  • NISAは非課税メリットを活かしながら長期の資産形成に使える制度
  • 投資タイミングに悩むのは自然なことだが、積立投資なら「ドルコスト平均法」がタイミングの不安を和らげる
  • 40代会社員の実例から、既存商品の見直しとリスク分散の考え方を解説

 

NISAを活用するメリットとは?

NISA 運用益非課税のしくみ1/2

NISA 運用益非課税のしくみ

出所:金融庁「NISAを知る」

NISAは、投資信託や株式などで得た運用益や配当にかかる約20%の税金が非課税になる制度です。

通常の課税口座であれば利益の約2割が税金で引かれますが、NISA口座であればその分がすべて手元に残ります。

長期・積立・分散を前提とした制度設計になっているため、将来のインフレや収入減に備えて資産を育てていきたいと考える方にとって、有効な選択肢の一つになります。

「今買って大丈夫?」投資タイミングに悩むのは自然なこと

NISAで本格的に運用を始めようとすると、「今のタイミングで株を買って大丈夫なのか」という不安が先行してしまう方は少なくありません。

市場が動くたびにタイミングを見極めようとすると、いつまでも一歩を踏み出せなくなってしまうこともあります。

神田 翔平
まとまった資金を一度に投資するのではなく、積立設定にすることで、買い方の時点でリスクが分散されます。これを「ドルコスト平均法」と呼びます。

一定額を定期的に買い続けることで、価格が高いときは少なく、低いときは多く買うことになり、購入単価が平均化されていく仕組みです。タイミングを完璧に読む必要がないという点で、多くの人にとって心理的な負担を減らしてくれる方法です。

ドルコスト平均法で、タイミングを気にしない運用を

ドルコスト平均法2/2

ドルコスト平均法

出所:金融庁「NISA早わかりガイドブック」

一度に全額を投資するのではなく、時期を分けて一定額ずつ投資する積立投資であれば、購入タイミングそのものを気にする必要が薄れます。

時間の分散を図ることで、市場の不確実性に対応しやすくなるのが、NISAの積立投資枠の強みです。

FPが伝える、NISA運用を続けるための結論

NISAの非課税メリットと、積立によるタイミング分散の仕組みを理解すれば、「今から始めても遅いかもしれない」「タイミングを外すかもしれない」という投資タイミングへの不安の多くは和らぎます。

一方で、NISAを続けていくうえでは、投資タイミング以外にも向き合うべきテーマがあります。一つは、商品選びとコストへの意識です。同じように資産を増やす目的の商品でも、信託報酬などの手数料には差があり、長期で運用するほどこの差が最終的な成果に影響してきます。手数料の高さだけで商品を避ける必要はありませんが、コストに見合ったリターンが見込めているかどうかは、定期的に確認しておきたい視点です。

もう一つは、ご自身のリスク許容度に合わせた分散です。値動きの大きい商品に資金を集中させるのではなく、株価指数に連動する商品や、値動きの異なる資産を組み合わせることで、市場が大きく動いたときにも動揺せず運用を続けやすくなります。市場を毎日チェックし続けるのが難しいと感じる方ほど、こうした「ほったらかしでも耐えられる」組み合わせを意識しておくことが、長く続けるための土台になります。

投資タイミングの不安が和らいだあとは、こうした商品選び・コスト・分散の視点を一つずつ整理していくことが、NISAを使った資産形成を無理なく続けていくための次のステップになります。