誰もがうらやむようなハイキャリアであるにもかかわらず、会社をやめてしまう人がいますよね。周囲からすれば「超一流企業なのに」とか「あの会社でそれだけ評価されているのなら一生安泰なのに」と思いますが、当の本人には色々と不安や不満があるようです。そこで今回は、一流企業をやめた4人に会社をやめた理由を聞いてみました。

「このままでは成長がない」という不安

とある大手IT企業で働いていたAさんは、会社の同僚や先輩、上司を見ていて不安になったと言います。「中途採用で入ったが、大手だし誰もが名前を知っている企業だから社員は本当に有能で、刺激的な毎日が送れると思った。しかし、実際はそうではない。ほんの一握りのデキる人たちにぶら下がって生きているだけの人達が9割で、何も刺激的ではなかった」と語ります。

Aさんが想像していたのは、周囲の誰もが有能で、自分が焦りを感じて勉強したり自己投資したりするくらい刺激的な日々。Aさんは前職で、周囲の仕事への意欲やモチベーションが低いことが不満で、成長できなさそうだと感じて転職しました。しかし、せっかく転職しても不満なことは前の会社と何ら変わりなかったのだと言います。

「IT企業だと言っているのにパソコンがろくに使えない人間も多い。現場レベルではKPIへの意識もなく、ただ漫然と人に言われた仕事をしている人が多い。仕事ともいえないような雑用レベルのことを毎日時間をかけてやって、それを仕事だと思い込んでいる人がほとんど」とため息をつくAさん。

「やっぱり大企業にもなると、数が多いぶん仕事ができない人も多い。そういう人たちに飲み込まれて生きていくことになりそうで怖かった」というAさんは、現在外資系のIT企業に転職して張りのある仕事をしていると言います。

「外資系にも能力の低い人たちはいるけれど、評価がシビアで日本のように年齢や社歴を見ての『忖度評価』がない分、自分が頑張ればいいというモチベーションになる」のだそう。職場で能力や意欲がない人たちを見て不安になるのは、デキる人にはよくあることなのかもしれません。

次のステージがないと悟ったとき

大手電機メーカーで勤務するBさんは、次のポストがないことに気付いて転職したと言います。というのも、「誰でも受け入れる、古き良き大企業特有の寛容さで、ポストが全く空かない」。そのため、自分のキャリアとして次のステージに進めなかったのだと言います。

「上司からは、次に上にあがるのはお前だと毎回評価面談で言われていた。しかし、そうは言われてもポストがないからには上にあがれない。仕事ができない人でも年齢や社歴があがればどんどん上に行ける。そりゃよっぽど能力がなくて上にも気に入られない人は閑職に追いやられるけれど、閑職の中でも一応管理職としてのポストを与えてもらえる」と不満を語ってくれました。

大企業は体力があるので、仕事をしない人、成果があがらない人を放っておける寛容さがあるとBさんは言います。しかし、その環境が耐えがたくなるときがきました。ずっと「次は上の役職にあげてやる」と言われ続け、3年目に「ポストに空きが見つからないからだめだった」と上司にため息をつかれたときに転職しようと決めたのだそう。転職先ではチームマネージャーとして活躍しています。

自分の足で立ってみたかった