いまは子ども一人当たりにかける教育費が少しずつ上がってきていると言われる時代。子どもの教育費が気になっている人も少なくないのではないでしょうか。

しかし、子どもの教育資金と言われても、一体いくら貯めればいいのか、またどうやって貯めていけばいいのか、わからないパパ、ママも多いですよね。そこで今回は、子どもの教育資金をどうやって貯めていけばいいかを考えてみましょう。

「子どもの教育資金はいくら貯めたらいいのか」という難題

そもそも、子どもの教育資金と言われても一体いくらかかるのか見当もつかないという人もいると思います。ただこれも、大学卒業まで総額約〇〇円です、と一般論での数字を出してもあまり意味がありません。

というのも、今は私立と公立の学費の差が大きいうえに大学の進路も公立文系から医歯薬学6年制、私立理系院卒などと幅広く、それによってかかるお金が倍以上違うことも多いからです。それに、子どもの進路を今のうちから見通すワザなどありませんし、子どもの進路を無理やり捻じ曲げようと思う親もいないと思います。

まずは家族の形と収入で、1つモデルケースと言える教育プランを考えてみてもいいでしょう。たとえば、子どもは1人、小中高大とずっと公立で、大学も文系だとすると一番教育資金は抑えられると思います。が、お金の都合だけで絞り込んだプランにしても、実現は容易でないかもしれません。

たとえば筆者なら、共働きで今の収入で頑張れるのは子ども2人まで、小学校と中学校は公立だけれど高校は私立、大学は私立理系4年間というプランならなんとか…と考えます。もっとゆとりがある人は小中と私立の一貫校に入れるとか、医歯薬学6年制を考慮に入れてもいいでしょう。

このように親が頑張れる上限を考えておくことも大事です。親が子どものために頑張りすぎて老後資金がない…なんてことになったら、かえって子どもに迷惑をかけるかもしれません。

そうならなくて済むプランを考えて、子どもと進路のことを話す日が来たら話し合いをすればいいと思います。足りない分は本人に奨学金で賄ってもらってもいいですし、アルバイト代で稼ぐのもいいでしょう。自分で稼いだお金で学ぶというのも貴重な体験です。

まずは必要なお金を年齢ごとに計算する

こうして大方針が決まったら、いくら必要なのかを計算していきます。ここで間違えてほしくないのは、総額を求めるのではなく、あくまで「いつ」「いくら必要なのか」を求めるべきであるということです。

たとえば、厚生労働省が発表している「平成27年 地域児童福祉事業等調査の概況」では、保育園の子ども1人当たりの月額利用料平均は約2万3000円なので、共働きを考慮したときに毎月2~3万円を子どものために拠出できるかがポイントになります。ただし、認可外の場合は、園によるばらつきが大きく月額利用料3~5万円がかかるようです。

同じ要領で見ていくと、文部科学省発表の「平成28年度子供の学習費調査」によると、公立小学校の場合は年間32万2000円(私立は152万8000円)、公立中学校の場合は年間47万9000円(私立は132万7000円)という結果に。

小学校と中学校を公立で過ごすのであれば、毎月3~4万円を子どもの教育費として拠出する感覚です。このあたりは、事前に貯めておかなくても毎月のやりくりの中で工夫して捻出できそうです。

高校も同調査によれば、公立(全日制)なら年間45万1000円(私立は104万円ほど)となるため、公立であればやはり月3~4万円を教育費に充てるイメージですね。

こうしてみると、まだそれほど大きな負担に感じることはないかもしれません。ただ、私立に入れるとなると入学金などまとめて支払う分の負担が大きいので、事前にそれなりの準備が必要になるでしょう。

まとめて必要なお金は子どもが生まれた直後から準備する