4. 20〜30歳代の約4割が投資済み?乗り遅れたくない「若い世代の資産形成」最新事情

物価上昇が続くなか、「老後資金は早いうちから準備しておきたい」と考える人が増えています。

かつては資産形成というと、退職が近づいてから始めるイメージがありました。しかし近年は、新NISAやiDeCoなど制度の充実を背景に、20歳代・30歳代のうちから将来を見据えて投資を始める人も珍しくありません。

株式会社クロス・マーケティングが実施した「金融に関する調査(2026年)」によると、20~30歳代で資産運用を行っている人は39%にのぼりました。

特に男性30歳代では46%、男性20歳代でも40%が資産運用に取り組んでおり、若いうちから将来に備える動きが着実に広がっていることがうかがえます。

一方で、約6割はまだ資産運用を行っておらず、将来への備えには大きな個人差があるのも現状です。

※調査対象:全国20~39歳の男女3,200名「金融に関する調査(2026年)」

4.1 運用商品は「NISA含む投資信託」が64%で主流に

資産運用を行っている人の運用商品は、以下のようになっています。

運用商品は「NISA含む投資信託」が64%で主流に3/4

運用商品は「NISA含む投資信託」が64%で主流に

出所:株式会社クロス・マーケティング「金融に関する調査(2026年)」2026年5月26日

  • 1位「NISA含む投資信託」64%
  • 2位「国内株式」39%
  • 3位「外国株式」17%
  • 4位「金・プラチナ等の現物資産」13%
  • 4位「外貨預金・FX」13%
  • 4位「暗号資産(仮想通貨)」13%
  • 7位「債券(国債・社債など)」11%
  • 8位「不動産投資」7%

最も多かったのは「NISAを含む投資信託」で、約3人に2人が選択しています。女性30歳代では投資信託、男性20~30歳代では国内株式を選ぶ割合が高く、年代や性別によって運用スタイルにも違いが見られます。

4.2 資産運用を始めたきっかけと目的

資産運用のきっかけとしては、以下の理由が上位に挙がっています。

  • 1位「家族や友人からの勧め」26%
  • 2位「YouTubeなどの動画コンテンツ」25%
  • 3位「制度改正(NISA、iDeCoの拡充など)」24%

女性は「家族や友人からの勧め」といった身近な人の影響を受けて始めるケースが多い一方、男性は動画コンテンツなどを通じて自ら情報を集め、資産運用を始める傾向が見られます。

また、男女とも30歳代では、新NISAやiDeCoの制度改正が資産形成を始める後押しとなっています。

さらに、資産運用の目的では「老後資金の準備」や「万一の備え(予備資金)」が上位を占めています。

特に30歳代女性では、「老後資金の準備」が45%、「万一の備え」が36%と高く、将来を見据えて早い段階から行動を始めている人が多いことが分かります。

もっとも、資産運用を始めているからといって、十分な金融資産を保有しているとは限りません。実際の金融資産には大きな個人差があり、「平均」と「中央値」にも開きがありました。

5. まとめにかえて:他人の平均より「自分の現在地」を知ることから

若い世代から資産運用を始める人が増えている一方で、50歳代・60歳代になっても貯蓄が十分にできていないおひとりさま世帯は決して少なくありません。

また、単身世帯における貯蓄額は「平均値」と「中央値」の乖離が大きく、二極化が進んでいることも明らかになりました。老後は公的年金だけで生活費をすべて賄いきることは難しく、毎月の不足分を補うためのまとまった資産が不可欠です。

大切なのは、周りの平均や中央値と比べて一喜一憂することではなく、自分自身の資産状況や、将来の収支を客観的に把握することです。

おひとりさまは、自分自身でライフスタイルのかじ取りをできる分、将来の万が一の支出も自分一人で備えなければなりません。

まずは現在の預貯金額、そして「将来受け取れる年金の見込額(ねんきん定期便)」をしっかりと確認し、客観的に「自分の現在地」を知ることから始めてみましょう。

その現実的な数字と向き合うことこそが、将来の確かな安心を築くための、最大の第一歩となるはずです。

熊谷 良子

「投資や資産形成は難しそう」と足踏みしてしまう方もいらっしゃるでしょう。

現在は運用益が非課税になる「NISA」や、掛金が全額所得控除となる「iDeCo」といった、投資初心者でも取り組みやすい税制優遇制度も存在しますので、選択肢の一つとして検討されてみると良いでしょう。

資産形成においては、「時間」こそが最大の味方です。

投資で得た利益がさらに利益を生み出す「複利効果」は、期間が長ければ長いほど雪だるま式に資産を増やす力を発揮します。

他人と比べるのではなく、ご自身の未来の安心のために、月々数千円の少額からでも「今日できる小さな一歩」を踏み出してみてはいかがでしょうか。

参考資料