3. 個人向け国債を600万円購入した場合の受取利息シミュレーション
個人向け国債を600万円購入し、満期まで保有し続けた場合の受取利息シミュレーションをご紹介します。
なお、変動10年は実勢金利に応じて半年ごとに適用利率の見直しが行われる仕組みとなっています。
そのため実際の受取利息は今後の金利変動によって変わりますが、ここでは10年間金利が一切動かなかった場合を想定して試算しています。
「変動10年」を600万円購入した場合、10年間の合計受取利息は税引前で1,080,000円となります。
税金を差し引いた手取り利息は860,598円となり、一定の金利が維持されればまとまった利息を受け取ることができます。
「固定5年」を600万円購入した場合、5年間の合計受取利息は税引前で585,000円です。
税引後の手取り利息は466,157円となり、確定した金利で安定的に運用することが可能です。
「固定3年」を600万円購入した場合、3年間の合計受取利息は税引前で280,800円となります。
税引後の手取り利息は223,755円となり、比較的に短い期間で確実な利息を得ることができます。
3つのタイプを比べると、固定5年は5年間で46万6157円、変動10年は10年間で86万598円の手取り利息となり、単純に年換算すると固定5年の方が有利に見えます。ただし変動10年は今後金利が上昇すれば受取額が増える可能性がある一方、固定5年・固定3年は満期まで金利が変わりません。「今後、金利が上がりそうか、下がりそうか」という見通しによって、どのタイプが有利かは変わってくる点も押さえておきたいところです。
4. 知っておくべき個人向け国債の中途解約の注意点
個人向け国債は原則として、発行から1年が経過すれば1万円単位で中途換金を行うことが可能です。
急な出費や資金ニーズが生じた場合でも、1年を過ぎていれば必要な分だけ手軽に換金できます。
ただし中途換金時には、直近2回分の各利子相当額に0.79685を掛けた金額が差し引かれます。
そのため、満期前に解約を行うと本来受け取れるはずの利息の一部が差し引かれる点に留意しましょう。
5. 元銀行員の視点から:「安全だから」で終わらせない、個人向け国債との付き合い方
個人向け国債は、元本割れの心配がほとんどなく、年0.05%の最低金利保証もある、非常に手堅い商品です。ただし「安全だから安心」という理由だけで選んでしまうと、本来の目的に合わない期間のタイプを選んでしまうことがあります。
銀行の窓口でも、「とりあえず一番金利が高いものを」という理由だけで固定5年や固定3年を選ばれる方にお会いすることがありましたが、5年後・3年後に本当にそのお金を動かさずに置いておけるかどうかは、金利以上に大切な確認ポイントです。
中途換金では直近2回分の利子相当額が差し引かれるため、近いうちに使う予定のあるお金は固定3年や、より流動性の高い方法で持つほうが安心です。逆に当面使う予定のない資金であれば、変動10年で金利上昇の恩恵を狙うという選択肢もあります。
金利の数字だけで選ぶのではなく、「いつ使う予定のお金なのか」というライフプランと照らし合わせながら、ご自身に合ったタイプを選ぶことをおすすめします。
6. まとめ
2026年7月募集分の個人向け国債の金利は、変動10年が1.8%、固定5年が1.95%、固定3年が1.56%となっています。
このような金利水準や商品性から、個人向け国債の購入を前向きに検討する方も多くいらっしゃるでしょう。
シミュレーション通りの利息を確実に得るためには、途中で解約せず満期償還まで保有し続ける必要があります。
個人向け国債のラインナップは「変動10年・固定5年・固定3年」の3種類が提供されています。
金利の高さだけで安易に選ぶのではなく、中途解約せずにしっかり保有し続けられるか十分に検討して選びましょう。
参考資料
中本 智恵
