4. 実際の受給額は?厚生年金+国民年金の平均月額を確認
では、実際の受給者はどのくらいの年金を受け取っているのでしょうか。
厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金部分を含む厚生年金の平均月額は以下のとおりです。
【平均月額】
- 全体:15万289円
- 男性:16万9967円
- 女性:11万1413円
【受給額ごとの受給権者数の割合】
- 10万円未満の割合:19.0%
- 10万円以上の割合:81.0%
- 15万円以上の割合:49.8%
- 20万円以上の割合:18.8%
- 20万円未満の割合:81.2%
- 30万円以上の割合:0.12%
※いずれも国民年金部分を含む
全体の平均月額は15万289円で、前述した「厚生年金期間中心の男性」の月額17万6793円より約2万6500円低い水準です。
一方、男性の平均月額は16万9967円となっており、厚生年金期間中心の男性の年金額に比較的近い水準といえます。
ただし、年金額は平均だけでは実態をつかみにくい面があります。受給額の分布を見ると、10万円未満の人が19.0%いる一方で、20万円以上の人も18.8%います。
30万円以上を受け取る人は0.12%にとどまっており、高額な年金を受け取るケースはかなり限られます。
5. FPが感じる「年金見込み額」を知る重要性
筆者がこれまで退職後の資産運用や老後資金について相談を受けるなかで、年金の見込み額を十分に把握できていない方も少なくないと感じてきました。
老後の生活設計を考える際、公的年金は毎月の収入の土台になります。
しかし、実際の受給額は、現役時代の収入や厚生年金の加入期間、働き方などによって大きく変わります。
そのため、平均年金額だけを見ても、自分の老後資金が足りるかどうかは判断しにくいでしょう。
老後資金を考える際には、まず次の3点を確認しておきたいところです。
- ねんきん定期便やねんきんネットで、自分の年金見込み額を確認する
- 平均額ではなく、自分の加入履歴にもとづく受給額を把握する
- 年金だけで不足する生活費を、貯蓄や就労収入でどう補うか考える
老後資金の準備は、漠然とした不安を抱えるだけでは進みません。
まずは自分の年金見込み額を確認し、毎月の生活費との差額を把握することが大切です。そのうえで、貯蓄や資産運用、働き方の見直しなど、自分に合った備えを考えていきましょう。
6. まとめ
2026年度の年金額は増額改定され、老齢基礎年金の満額は月額7万608円、厚生年金のモデルケースは夫婦2人分で月額23万7279円となりました。
ただし、これはあくまで一定の条件にもとづく例であり、実際の受給額は加入してきた年金制度や働き方によって異なります。
年金額は平均だけでは判断しにくいため、自分の加入履歴にもとづく見込み額を確認することが大切です。
ねんきん定期便やねんきんネットを活用し、将来の年金収入と生活費の差を早めに把握しておきましょう。
参考資料
加藤 聖人
