3. 年齢とともに広がる男女格差:ライフイベントが女性の年収に与える影響

年齢別のデータを追うと、男女の年収が全く異なる軌跡を描いていることが見えてきます。

男性は25〜29歳の437.6万円を起点に、右肩上がりで増加します。

  • 30〜34歳:511.6万円
  • 40〜44歳:629.5万円
  • 50〜54歳:708.5万円
  • 55〜59歳:734.6万円(ピーク)
  • 60〜64歳:604.4万円(定年・役職定年等の影響で減少)

一方、女性は25〜29歳で370.1万円と男性にそれほど差はありませんが、その後はほぼ横ばいで推移します。

ピークは45〜49歳の368.6万円。

男性のように50代にかけて大きく伸びることはなく、年齢を重ねるほど男女差が広がる構図になっています。

この背景にあるのが、妊娠・出産・育児といったライフイベントによる働き方の変化です。

SNSテクノロジーズ株式会社の調査(PRTimes「妊娠中に働いた女性の約8割が『つわり・体調不良』に苦労|それでも63%が『やってよかった』」)によると、妊娠中も就労していた女性の多くが「家計をカバーするために働いた」と回答しています。

産後も就労を継続している・継続を希望していると答えた方は55.0%いる一方で、42.2%は「続けていない・続けるつもりはない」と回答しています。

また、妊娠中の就労経験者からは、以下のような苦労が挙げられました。

  • つわりや体調不良との両立
  • 通院・健診と仕事スケジュールの調整

働き続けたくても、体調や環境の壁が立ちはだかるのが現実です。

こうしたライフイベントによって働き方や雇用形態が変わることが、30代以降の女性の年収が伸びにくい一因と考えられます。

男女の年収格差は「働ける状況の差」が反映されている面も大きいのではないでしょうか。