3. 生活保護率の地域格差をチェック|保護率が高い・低い都道府県

厚生労働省の「令和6年度被保護者調査」によると、生活保護率には地域差があることがうかがえます。

《47都道府県・生活保護率が高い順》

①沖縄県:22.8
②青森県:22.2
③北海道:21.9
④福岡県:21.1
⑤東京都:19.3
⑤大阪府:19.3 ※同率
⑦高知県:18.4
⑧徳島県:17.7
⑨大分県:16.4
⑩鹿児島県:14.5



㊴群馬県:6.7
㊴新潟県:6.7 ※同率
㊵島根県:6.0
㊶岡山県:5.7
㊷愛知県:5.6
㊸石川県:4.5
㊹長野県:4.3
㊺岐阜県:4.0
㊻福井県:3.4
㊼富山県:2.7

※人口千対(%)の数値

もっとも生活保護率が高いのは沖縄県、もっとも低いのは富山県でした。

では、このような地域差は何が要因となって生まれるのでしょうか。

次章では、詳しい要因について見ていきましょう。

4. 生活保護率に地域格差が生まれる理由は?

生活保護率の地域格差には、複数の要因が考えられます。

例として、生活保護率が高い都道府県では、以下のような傾向が見られるケースがあります。

  • 1人当たり県民所得が低い
  • 離婚率が高い
  • 完全失業率が高い
  • 高齢化・核家族化により高齢者世帯の割合が多い

ここからは、「1人当たり県民所得」と「離婚率」について、生活保護率との関連を見ていきましょう。

4.1 「1人当たり県民所得」が低い

総務省統計局の「社会生活統計指標-都道府県の指標-2024」から、2019年において「1人当たり県民所得」が低い都道府県を見てみます。

「1人当たり県民所得」が低い都道府県2/3

「1人当たり県民所得」が低い都道府県

出所:総務省統計局「社会生活統計指標-都道府県の指標-2024」をもとに筆者作成

沖縄県、鹿児島県、青森県、高知県、大分県は、生活保護率が高い上位10の都道府県にも含まれます。

4.2 「離婚率」が高い

厚生労働省の「人口動態調査」から、2024年において「離婚率」が高い都道府県を見てみます。

「離婚率」が高い都道府県3/3

「離婚率」が高い都道府県

出所:厚生労働省「人口動態調査」をもとに筆者作成

これらの中で、沖縄県、福岡県、大阪府、北海道、鹿児島県、高知県、大分県は、生活保護率が高い上位10の都道府県にも含まれます。

離婚率が高い地域では母子世帯が多くなることから、収入の不安定さを理由に生活保護につながりやすいと考えられます。

ただし、生活保護率の地域差にはさまざまな要因が影響しており、これらはあくまでも傾向の1つに過ぎないことを理解しておきましょう。

5. 生活保護制度への理解を深め、必要なときに相談できる備えを

生活保護率には地域差があり、沖縄県、青森県、北海道などでは特に高い数値となっています。

生活保護率が高くなる要因はさまざまですが、「1人当たり県民所得」や「離婚率」などの指標が影響しているケースもあります。

生活保護の支給については、収入が最低生活費を下回っていることのほか、預貯金や就労能力などの活用可否も考慮したうえで決定されます。

「日々の生活が苦しい」と感じる場合、お住まいの自治体の「福祉事務所」で、生活保護の要件に当てはまるかどうかを相談してみるのも1つの方法です。

6. 元銀行員からの補足:家計不安と向き合うためのアドバイス

中本 智恵

今回のデータを見ると、生活保護率には沖縄県の22.8%から富山県の2.7%まで大きな地域差があり、所得水準や離婚率といった要因が背景にあることがうかがえます。

制度の対象になるかどうかは世帯の収入や資産状況によって異なるため、自己判断で諦めてしまうケースも見受けられます。

生活費のやりくりに不安を感じた場合は、まずお住まいの自治体の福祉事務所に相談し、利用できる制度がないかを確認することをおすすめします。あわせて、家計の収支を一度書き出し、何にどれだけの費用がかかっているかを可視化しておくと、相談の際にも状況を伝えやすくなります。

生活保護は収入や資産の状況を踏まえて総合的に判断される制度であり、平均的な地域差だけで自身が対象になるかどうかを判断することはできません。まずは正確な情報をもとに、必要な支援につながる一歩を踏み出すことが大切です。

参考資料

池田 夕華