3. 年齢層の上昇に伴う平均給与の変動と男女間で描かれる異なる軌道
世間一般的なイメージとしては、年齢を重ねて経験やスキルを積み上げていくほど、年収もそれに伴って右肩上がりに上昇していくと考えられがちです。
昨今では、大手企業を中心に初任給の底上げを行うなど若い世代の待遇改善に向けた動きが活発化しており、若年層の給与水準にも変化の兆候が表れ始めていますが、世代ごとの平均給与の推移を詳細に追っていくと、男女で描かれるカーブはまったく異なるものになります。
まず男性の平均給与に焦点を当てると、年齢のステップアップに比例して着実に増加していく傾向が見て取れます。
具体的な金額としては、25〜29歳時点の437.6万円をスタートラインとし、30代、40代になっても順調に推移を続け、55〜59歳のタイミングで734.6万円に到達して最高潮を迎えます。しかし、ポストオフ(役職定年)や定年退職という節目を迎える60〜64歳の年代に差し掛かると、604.4万円へと一転して大きく減少するという特有のサイクルがあります。
これとは対照的に、女性の年齢別のデータはまったく異なる様相を呈しています。女性の場合は25〜29歳で370.1万円を記録した後は、55〜59歳の356.2万円を迎えるまで、どの年齢区分であっても350万〜370万円台の範囲内を推移するのみで、実質的に平坦な状態が継続します。また、女性における平均給与の最高値は45〜49歳の368.6万円となっており、男性に見られるような50代へ向けた劇的な上昇トレンドは存在しません。
これらの事実からわかるように、30代を分岐点として年齢層が上がるほど男女間の給与格差がどんどん広がっていく歪みな構造になっており、歳を追うごとの年収増加という恩恵は、本質的に男性側のデータが牽引しているトレンドだという事実が浮き彫りになっています。
