厚生労働省の中央最低賃金審議会の小委員会は7月、2019年度の最低賃金について全国平均で時給を27円引き上げ901円にすることを決定しました。
東京都と神奈川県は最低賃金が1,000円を超えることになります。そんな中放送されたニュース番組では最低賃金の引き上げに触れ、手取り23万円で時間外労働など行うと、時給換算した際に最低賃金を下回る可能性があるという状況を特集していました。
この「手取り23万円」という賃金をめぐり、ツイッターでは「23万円ではまともな生活ができない」という意見や「十分な収入をもらっているのではないか」という意見など、多数の議論が交わされました。さらにキーワードがトレンド入りするなど、若い世代を中心に最低賃金や最低生活費について高い関心があることがわかります。
多くの人々が生活や将来への不安を抱えていることがうかがえる今、自由な働き方の選択がその生活にも大きく影響しています。
夢を叶えるため…フリーランスになった20代女性
都内で暮らす20代のAさんは、もともとは正社員として新卒で入社した会社で働いていました。その頃は日々の残業や休日出勤も多く、残業時間が100時間を超える月も珍しくはありませんでした。それに見合った給与ももらっていたので、「同年代よりも貯金はあったのでは」といいます。
けれど学生の頃から志していた芸術関係の仕事に専念するため、一念発起。4年弱勤務した会社を辞め、アーティスト活動を行う傍ら、契約講師などをして生計を立てています。フリーランスとなったため、保険料などの負担が増え手取り額は減ってしまい、先述の23万円を下回るといいます。
さらに将来のためにと思ってしていた貯金も、資材や設備投資などに使い減っていく一方。まさに 生活には不自由していないけれど、将来の蓄えがない状態です。
Aさんは「自由な働き方で夢を叶えるために生活してがんばる」といいますが、「今は自分自身のために生活を送り、いずれ活動が軌道に乗れば貯蓄や将来のことを考えたい」と夢を追うことを最優先にしていながらも、やはり将来の生活に対しては懸念しているようです。