日差しが強まり本格的な夏の訪れを感じる季節となりました。

家計の見直しを考えるこの時期、近年の金利上昇局面において現在変動金利で住宅ローンを組んでいる方や、これからマイホームの購入を考えている方にとって、将来の返済額の動向は非常に気になるテーマです。

そこで今回は、ローン残高5000万円、残りの返済期間20年、現在の適用金利5%という条件を設定し、金利が1%上昇した場合のシミュレーションを行います。

月々の返済負担がどれくらい増加するのかを具体的に把握し、これからの資金計画やリスク管理の参考に役立ててください。

1. 変動金利に先行して動く?固定金利(フラット35)の最新動向

変動金利からの借り換えを検討する際、目安となる固定金利は変動金利よりも先に上昇し始めるという特徴を持っています。

ここでは、全期間固定金利の代表的な住宅ローンである「フラット35」の最近の金利水準を確認してみましょう。

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出所:住宅金融支援機構「フラット35 金利推移」をもとにLIMO編集部作成

出所:住宅金融支援機構「フラット35 金利推移」をもとにLIMO編集部作成

グラフのデータが示すように、現在の住宅ローン固定金利は全体的に緩やかな上昇傾向が見られます。

直近の具体的な金利幅を確認すると最低金利は3.21%、最高金利は5.48%となっており、今後の動向を注視する必要があります。

2. 金利1%アップで負担はどう変わる?月々の返済額がいくら増えるかシミュレーション

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シミュレーション結果
  • ローン残高:50,000,000円 (5,000万円)
  • 残り返済期間:20年
  • 現在の金利:5%
  • 金利上昇幅:+1%
  • 現在の月々返済額:329,978円
  • 上昇後の月々返済額:358,216円
  • 月々の負担増:28,238円
  • 返済額の上昇率:8.6%アップ

※元利均等返済

試算の結果、適用金利が5%から6%へと1%上昇すると、月々の返済額は329,978円から358,216円へと増加します。

毎月の負担は28,238円増えることになり、返済額の上昇率は約8.6%アップとなるため、家計への影響は無視できません。

3. 変動金利の急激な負担増を抑える「5年ルール」と「125%ルール」とは

変動金利タイプの住宅ローンを契約する際、知っておきたいのが「5年ルール」と「125%ルール」の仕組みです。前者は金利変更後も5年間は返済額を据え置く規則であり、後者は返済額を前回の1.25倍までにする規則です。

3.1 メリット

これらのルールがある最大の利点は、市場の金利が急激に跳ね上がったとしても、毎月の返済額が急に増えないことです。

子どもの教育費や他の支出が重なる時期であっても家計を安定させやすく、長期的な返済計画が立てやすくなります。

3.2 デメリットと未払利息の注意点

一方で、毎月の支払額が抑えられているからといって、発生している利息の総額や全体の返済負担が減るわけではありません。

急激な金利上昇が起きると、毎月の返済額のすべてが利息の支払いに消えてしまい、元金が全く減らなくなる状態に陥ります。

このように支払いきれなかった利息は「未払利息」として裏で溜まっていき、最終返済日に一括で請求されることになります。

最悪の場合、老後の資金を失ってしまったり、家を手放さざるを得なくなったりする深刻なリスクをはらんでいます。

3.3 ルールの有無の確認

注意すべき点として、この仕組みは「元利均等返済」を選択している場合のみ対象となり、「元金均等返済」には適用されません。

さらに、金融機関によっては最初からこれらのルールを設けていないところもあるため注意が必要です。

ルールがない金融機関では、金利が上がるとすぐに毎月の返済額が増えますが、未払利息が蓄積する心配はありません。

そのため、住宅ローンを契約する前には、これらのルールが適用されるかどうかを必ず細かくチェックしておきましょう。

4. まとめ

今回のシミュレーション条件(ローン残高5,000万円・残り20年・現在の金利5%)に当てはめると、変動金利が1%上昇した際、月々の返済額は28238円増加する計算となります。

4.1 固定金利への切り替えに伴う「デメリット」と「メリット」

一般的に住宅ローンの金利設定は変動金利よりも固定金利の方が高いため、切り替えによって当面の返済額が増えるデメリットは覚悟する必要があります。

しかし、固定金利への切り替えには、今後の金利動向に左右されずに毎月の返済額が一定に保たれるという大きなメリットが存在します。

これにより、将来的に負担が膨らむリスクをなくすことができ、長期のライフプランを見据えた家計管理が格段にスムーズになります。

4.2 固定金利へ切り替えるべきかの判断基準

変動金利のまま進めるか固定金利へ切り替えるべきかは、それぞれの家計状況や資産、今後のライフイベントによって判断が分かれます。

大切なのは、将来の金利上昇を見据えて「どの程度までなら家計のバランスを崩さずに耐えられるか」をあらかじめ計算しておくことです。

万が一の事態に備えて事前にシミュレーションを行い、適切な対策を立てられるように準備しておきましょう。

【免責事項】

本記事に掲載されている情報やシミュレーション結果は、試算条件に基づく一例であり、将来の金利動向や特定の金融商品の勧誘を保証・目的とするものではありません。実際の融資条件、金利、および返済額は金融機関や個人の契約状況によって異なります。住宅ローンの選択や契約に際しては、必ず各金融機関の最新の規定や情報を確認し、ご自身の責任においてご判断ください。

参考資料