国民年金「月5万円未満」が約2割もいる現実。年金が少ない・もらえない事態はなぜ起こる?
50歳で突きつけられるリアルな見込額。現役時代の「空白期間」をチェック&将来の年金を増やす方法も
Wako Megumi/shutterstock.com
一年の折り返し地点となる7月。夏のボーナスを機に、将来の資産形成を見つめ直す方も多いでしょう。
住宅資金や教育資金に加え、世代によっては「老後資金」をどう確保するかが大きなテーマとなってくるのではないでしょうか。
公的年金はセカンドライフを支える柱です。毎年届く「ねんきん定期便」は50歳を境に、現在の加入条件で60歳まで納付したと仮定した「老齢年金の見込額」が記載されるようになります。
筆者自身、フリーランス期間が長かったため同世代の会社員より見込額が少なく、初めてリアルな数字を突きつけられて焦りを感じました。
とはいえ、働き方が多様化する今、年金額を増やすことだけに縛られて自分らしい生き方を狭めるのはナンセンスです。
大切なのは現状を正しく把握すること。今回はシニア世代の「低年金」の実態を探りつつ、多様な働き方に合わせた年金のリカバリー法を考えます。
1. いまどきシニアの年金事情。国民年金「月5万円未満」が約2割もいる現実
まずは、今のシニア世代が実際に受け取っている年金額のリアルを見てみましょう。厚生労働省の「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、平均的な受給額と分布は以下のようになっています。
1.1 厚生年金保険(第1号)の受給額分布
- 全体平均月額:約15万289円
- 男性平均月額:約16万9967円
- 女性平均月額:約11万1413円
現役時代の収入や加入期間が反映されるため個人差が大きく、男女間でも平均額に約6万円もの差が開いていることがわかります。
1.2 国民年金の受給額分布
- 全体平均月額:約5万9310円
- 男性平均月額:約6万1595円
- 女性平均月額:約5万7582円
国民年金は満額が定められているため大きな男女差はありませんが、未納や免除期間の影響により、平均額は満額(2026年度で月額7万608円)を下回っているのが実情です。
このすべての人に共通する土台部分である「国民年金」の分布に注目すると、少し気になる事実が浮かび上がります。
ボリュームゾーンは「6万円以上~7万円未満」ですが、月額5万円に満たない人が約20.6%(約689万人)も存在しているのです。
2026年度(令和8年度)の国民年金の満額は「月額7万608円」ですが、この満額を受け取れていない層が想像以上に多いことがわかります。
著者
二種外務員資格(証券外務員二種)記者/編集者/校閲者/
【保有資格】
ニ種外務員資格(証券外務員二種)・相続診断士・認知症介助士・終活ガイド資格1級保有。
【経歴】
二種外務員資格や相続診断士などの資格を保有し、「お金とくらし」にまつわる情報を専門的かつ丁寧に発信する金融メディア編集者・ライター。
早稲田大学第一文学部史学科卒。人文・社会系一般書籍、中学・高校社会科教材、就職試験問題の制作関連業務で15年以上の経験を持つ。また、大手人材派遣会社における採用管理業務などの実務経験もある。
現在は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~』において、金融系メディアの編集者兼執筆者として、コンテンツ制作や編集を担当。
総務省「家計調査」・厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」・J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査」などの一次資料に基づくデータ記事の執筆に強み。
専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト『LIMO&ファイナンス』でも記事執筆をおこなう。紙媒体での経験に加え、家族の介護を通じて得た知見を生かしながら、「お金とくらし」にまつわる情報を丁寧に発信している。(2026年7月9日更新)
監修者
LIMO編集部年金解説班は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア ~LIMO(リーモ)~』において、地方自治体の公務員や生命保険会社等の金融機関にて勤務経験が豊富な編集者が中心となり、厚生労働省や官公庁の公開情報等をもとに公的年金(厚生年金保険と国民年金)、年金制度の仕組み、社会保障制度などをテーマに、丁寧で読者にとってわかりやすい記事の情報発信を行っています。
LIMO編集部年金解説班に所属する編集者は日本生命保険相互会社出身の村岸理美、地方自治体職員出身の太田彩子、株式会社三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子、株式会社三菱UFJ銀行出身の中本智恵、野村證券株式会社出身の宮野茉莉子、SMBC日興証券株式会社出身の安達さやか等のファイナンシャルアドバイザー経験者等で構成されており、表彰歴多数の編集者も複数在籍しており、豊富な金融知識をもとにした記事に定評があります。
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などの資格保有者も多数在籍。生保関連業務経験者は過去に保険募集人資格を保有。(最新更新日:2026年6月17日)