5. ライフステージに合わせた働き方へ
冒頭でも少し触れましたが、筆者自身は「会社員→フリーランス→再び会社員」というキャリアを歩みました。
家族の介護に直面した際、時間の融通が利くフリーランスはありがたい反面、国民年金のみとなるため将来の年金への不安が常にありました。
その後、働き方を見つめ直し、再び会社員として働くことに。
決して「将来の年金のためだけ」に働き方を変えたわけではありませんが、結果的に厚生年金に再加入したことで、将来の年金がやや増えるという安心感が生まれたことは確かです。
もちろん、年金をもらうためだけに今を働くわけではありません。
一番大切なのは、いまのライフスタイルや自分に合う働き方・職種を選ぶこと。その上で、将来の生活費から逆算し、どのような備えが必要かを考えていくことかもしれませんね。
ミドル世代のキャリア観も変化しています。ハッピーカーズの調査(2026年6月)では、40・50歳代の約6割が定年後の起業や独立に前向きで、定年を「再始動」のタイミングと捉えています。
こうしたニーズに合わせ、国も年金制度を見直しています。2025年に成立した制度改正法では、パート等の短時間労働者が社会保険に加入する際の「月額8万8000円以上(年収106万円の壁)」「従業員51人以上の企業」という要件が順次撤廃されます。
これにより、収入の壁に過度に縛られず、自分に合ったペースで働きながら厚生年金に加入しやすくなると期待されています。
6. まとめにかえて|年金と生活費のバランスを考える
年金額のプラス改定や社会保険の適用拡大は嬉しいニュースですが、日々の物価高、突発的に発生する介護費用などを考えると、「公的年金だけで老後は安泰」とは言い切れません。
老後の生活設計では、「生活全体を支える収入をどう確保するか」という視点が大切です。
まずは毎年届く「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」でご自身の受給見込み額を把握してみましょう。
その上で、自分に合った働き方を選び、新NISAやiDeCoで少額から資産形成を始めるなど、いまできる備えを実践することで、将来の安心へとつなげていけたら良いですね。
参考資料
- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2025年(令和7年)平均結果の概要」
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 公益財団法人 生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査(2024年度)」
- 株式会社LIFULL「LIFULL 介護が試算、生涯で介護に必要な金額はおよそ『2,300万円』」
- 株式会社ハッピーカーズ「【40代・50代の定年後意識】約2人に1人が『低リスクなら起業したい』と回答」