国税庁の「令和6年分民間給与実態統計調査」の結果によると、国内の給与所得者が手にした平均給与は477.5万円という結果になりました。
性別ごとに確認すると、男性の平均は586.7万円、女性は333.2万円で、その差は253.5万円に達しています。なお、全体の平均給与は緩やかに上昇する傾向が継続しています。
今回はこの最新の統計データを用いて、正社員と正社員以外という雇用形態、年齢層、そして業種という3つの視点から、給与の実態を詳しくひも解いていきましょう。
1. 雇用形態による給与格差は大きい
全体平均の477.5万円という金額は、正規雇用と非正規雇用の双方を合算した数値です。これを雇用形態別に切り分けると、両者の間には明らかな隔たりが見えてきます。
正社員として働く人の平均給与が544.9万円であるのに対し、パートやアルバイトなどの正社員以外の層は206.3万円にとどまり、その金額差は338.6万円にものぼるのが現状です。
こうした格差は男女の区分でも顕著です。正社員の男性は608.6万円、女性は429.9万円となっています。一方で正社員以外では男性が271.1万円、女性が174.1万円という水準であり、雇用の形と性別の双方が個人の給与額を大きく左右していることがうかがえます。
2. 年齢に伴う給与の推移と男女間のギャップ
世代ごとの平均給与に目を向けると、男性と女性とではその変化の仕方に大きな違いがあることが分かります。
男性の場合は25〜29歳の437.6万円をスタートに、年齢を重ねるにつれて着実な右肩上がりを見せます。30〜34歳で511.6万円、40〜44歳で629.5万円、50〜54歳で708.5万円と増え続け、55〜59歳に迎える734.6万円でピークを迎える流れです。しかし、60〜64歳に達すると604.4万円へと大きく減少します。これは定年退職や役職定年による影響がこの年齢層に集まることが要因と推測されます。
その一方で女性の傾向を見ると、25〜29歳時点で370.1万円となった以降は、ほぼフラットな推移をたどります。最も高くなるのは45〜49歳の368.6万円であり、男性のように50代で給与が大きく跳ね上がることはありません。その結果、30代を迎えてからは年齢が上がるにつれて男女の給与差が広がり続ける構図となっています。
3. 業種別の平均給与ランキングと大きな格差
自身の収入や給与のレベルを大きく左右する要因として、どの「業種」を選択するかは極めて重い意味を持ちます。
実際に、平均給与がトップの業種と最下位の業種を比較すると、その開きは約553.1万円という莫大なものになっています。
調査対象となった全14業種の中で、平均給与の高さで上位を占める3つの業種は次の通りです。
- 1位:電気・ガス・熱供給・水道業(832.4万円)
- 2位:金融業・保険業(702.3万円)
- 3位:情報通信業(659.5万円)
1位となったライフライン系のインフラ産業は832.4万円と非常に高い水準を誇り、続く2位の金融業・保険業も702.3万円を記録して業種平均の段階で700万円を超えています。なお、男性のデータに絞ると、金融業・保険業が898.1万円、電気・ガス・熱供給・水道業が878.5万円という高水準に達します。
これとは逆に、平均給与の額が下位に位置する3つの業種は以下の通りです。
- 12位:サービス業(389.1万円)
- 13位:農林水産・鉱業(347.9万円)
- 14位:宿泊業・飲食サービス業(279.3万円)
現在在籍している業界や、今後キャリアチェンジを目指す先の業種がどのポジションにあるかによって、得られる年収の目安は大きく塗り替えられると言えるでしょう。
4. 全体の動向を振り返って
今回の令和6年分の統計結果が示す通り、全体の平均給与477.5万円(男性586.7万円、女性333.2万円)という数字の背景には、雇用形態や年齢、業種による大きな格差が隠されています。
正規雇用の正社員(544.9万円)と正社員以外(206.3万円)における338.6万円の開きをはじめ、年齢層では男性が50代後半に向けて右肩上がりに成長するのに対し、女性はほぼ横ばいで推移するという違いがありました。
さらに業種間の開きも最大553.1万円に及んでおり、働き方・年齢・どの業界に属するかという3つの要素が、個人の給与を形作る上で極めて大きな影響力を持っていることが浮き彫りとなっています。



