国税庁が発表した「令和6年分民間給与実態統計調査」のデータによると、日本の給与所得者における平均給与は477.5万円という結果が出ています。
これを男女別で確認すると、男性が586.7万円であるのに対し、女性は333.2万円にとどまります。女性の平均給与は、全体の平均値を大きく下回っているのが現状です。
この記事では、特に女性の給与データへと視点を向け、一つの節目とも言える「年収600万円」を巡る実態について詳しく掘り下げていきます。
1. 女性で「年収600万円超」に到達しているのはどのくらい?最新データで見る割合
給与階級別の分布データを女性だけに絞ってチェックしてみると、年収600万円超を稼いでいる人の割合はわずか9.7%にとどまっていることが分かります。
男女を合わせた全体の数値(24.9%)と比較した場合でも、女性の割合はこれを大幅に下回る結果です。さらに男性単体で見ると36.2%に達しており、同じ年収水準であっても性別によってその割合に大きな開きが生じています。
これらのデータが示す通り、年収600万円というラインは、女性にとって現在もなお極めて高いハードルであることが浮き彫りになっています。
2. 年齢に伴う女性の給与推移と横ばいが続く背景にあるライフイベント
女性の年齢階層別平均給与の動きを追いかけてみると、男性のデータとは全く異なる推移を見せることが分かります。
具体的には、女性は25〜29歳時点で370.1万円を記録した後、30〜34歳で361.5万円、35〜39歳で351.3万円へと一時的に減少する傾向が見て取れます。その後に迎える45〜49歳の368.6万円がピークとなりますが、全体的な流れとしては350〜370万円台の枠内での横ばい状態が継続します。55〜59歳の段階になっても356.2万円であり、25〜29歳当時の水準とほとんど大差ありません。
女性の場合、産休や育休の取得によってキャリアの積み上げが一時的に停滞する時期が生じるケースがあります。また、配偶者の転勤を機に仕事を辞めたり、育児のために時短勤務への切り替えや退職を選択したりするケースも少なくありません。このように、年齢とともに継続してキャリアを積み、年収アップを目指す環境にある人が男性よりも少ない傾向にあることが、年齢を重ねても平均年収が横ばいにとどまる大きな背景として考えられます。
一方の男性は、25〜29歳における437.6万円から、55〜59歳の734.6万円に至るまで、年齢とともに着実な増加を遂げていきます。このため30代以降は、年齢を重ねるごとに男女間の給与格差が広がり続ける構造になっているのです。
3. どの分野を選ぶかがカギ?業種別の平均給与ランキングと傾向
目標として年収600万円を視野に入れる場合、どの「業種」に身を置くかは極めて重要な判断材料となります。
実際に、最も平均給与が高い業種と最も低い業種との格差を算出すると、約553.1万円もの大きな開きが出ているからです。
調査された全14業種の中で、平均給与が高い上位3つの業種は以下の通りとなっています。
- 1位:電気・ガス・熱供給・水道業(832.4万円)
- 2位:金融業・保険業(702.3万円)
- 3位:情報通信業(659.5万円)
これを女性のみの数値にフォーカスしてみると、金融業・保険業が502.0万円、情報通信業が502.3万円となっており、この2業種が女性の平均値で500万円を超えている状況です。
その反対に、平均給与が低い下位3つの業種は以下の通りです。
- 12位:サービス業(389.1万円)
- 13位:農林水産・鉱業(347.9万円)
- 14位:宿泊業・飲食サービス業(279.3万円)
現在所属している業種や、これから転職先として検討している業界がどこに該当するかによって、年収600万円という目標への到達難易度は大きく左右されると言えます。
4. おわりに:女性のキャリアと年収600万円超への道筋
令和6年分の調査データから明らかなように、女性の中で年収600万円超を得ている人の割合はわずか9.7%にすぎません。
全体の数値(24.9%)を大幅に下回るだけでなく、男性の36.2%という数字と比較しても歴然とした格差が存在しています。
また、女性の平均給与は年齢変化に伴う伸びが緩やかで、45〜49歳で迎える最高額(368.6万円)の時点でも25〜29歳(370.1万円)とほぼ同等の水準にとどまります。
このことから、年収600万円という目標を現実のものにするためには、業種の選択をも見据えた長期的な視点でのキャリア設計が極めて重要なカギを握っていると言えるでしょう。



