4. 運用で増やす!「いつの間にか富裕層」の台頭
年収やこれまでの常識だけでは貯蓄を増やしにくい時代ですが、希望になりそうなデータも。
野村総合研究所が公表した富裕層に関する推計(2025年2月リリース)によると、純金融資産1億円以上を保有する富裕層以上の世帯は長期的には増加傾向にあります。
純金融資産保有額の階層別にみた保有資産規模と世帯数の推移7/7
出所:株式会社野村総合研究所 ニュースリリース「野村総合研究所、日本の富裕層・超富裕層は合計約165万世帯、その純金融資産の総額は約469兆円と推計」(2025年2月13日)
とくに近年は、株価上昇や円安の影響により資産価値が押し上げられ、自らの収入と「資産運用」によって富裕層に到達する新たな層の存在が示されています。
たとえば、株式市場の上昇を背景に運用資産が1億円を超えた「いつの間にか富裕層」(主に40歳代後半~50歳代の会社員が中心)や、都市部の高収入な大企業・共働き世帯が資産を急速に増やす「スーパーパワーファミリー」などが注目されています。
親からの贈与や相続に頼らず、現役時代からの計画的な資産運用によって大台を突破する機会が広がっている点は、現役世代にとっての大きなヒントになりそうです。
5. まとめにかえて
夏のボーナス時期である今は、ご自身の家計のバランスシートを冷静に見直す絶好のタイミングです。
今回の最新データから見えてきたのは、「貯蓄4000万円=高年収」という単純な構図はもはや通用せず、資産運用の有無や「負債」の状況によって、同じ年収帯であっても大きな二極化が進行しているという現実でした。
家計の本当の体力を測るには、表面的な貯蓄額だけでなく、住宅ローンなどの負債を差し引いた純貯蓄額や、持ち家などの実物資産を含めて総合的に判断することが不可欠です。
まずはご自身の現在の資産と負債を正確に把握すること。
その上で、ボーナスの一部を投資や貯蓄に回すなど、自分に合った無理のない資産形成戦略を練ることが、「貯蓄4000万円」への着実な第一歩となるでしょう。
参考資料
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2025年(令和7年)平均結果-(二人以上の世帯)貯蓄の状況」
- 総務省統計局「家計調査 貯蓄・負債編-2025年(令和7年)-第8-11表<貯蓄・負債>貯蓄及び負債の1世帯当たり現在高(二人以上の世帯・勤労者世帯)」
- ソニー損害保険株式会社「2026年夏のボーナス&お小遣い事情」(2026年)
- 株式会社野村総合研究所 ニュースリリース「野村総合研究所、日本の富裕層・超富裕層は合計約165万世帯、その純金融資産の総額は約469兆円と推計」(2025年2月13日)
6.1 【ご参考】貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。
6.2 【ご参考】年間収入とは
総務省統計局の「家計調査」における「年間収入」とは、世帯全体の過去1年間の収入(税込み収入)です。以下1~6の収入の合計金額となっています。
1. 勤め先収入(定期収入、賞与等)
2. 営業年間利益(原材料費、人件費、営業上の諸経費等を除く。)
3. 内職年間収入(材料費等を除く。)
4. 公的年金・恩給、農林漁業収入(農機具等の材料費、営業上の諸経費等を除く。)
5. その他の年間収入(預貯金利子、仕送り金、家賃収入等)
6. 現物消費の見積り額