2. 【2026年度】現行の高額療養費制度と「70歳以上の外来特例」を解説

「高額療養費制度」とは、1カ月間の医療費の窓口負担額が定められた上限を超えた際に、超過分が後から払い戻されることで自己負担を軽減する仕組みです。

高額療養費制度「70歳以上・年収約370万円~770万円の場合(3割負担)」2/5

高額療養費制度「70歳以上・年収約370万円~770万円の場合(3割負担)」

出所:厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」

実際にどの程度負担が軽くなるのか、70歳以上で年収が約370万円から770万円(3割負担)の方を例に見ていきます。

仮に、1カ月の総医療費が100万円だったとします。

  • 自己負担の上限額の計算式:8万100円 + (総医療費 - 26万7000円) × 1% = 8万7430円
    ※自己負担の上限額や計算式は、ご本人の所得区分(年収など)によって細かく分かれています。ここでは「年収約370万〜770万円(3割負担)」の方を例にしています。
  • 通常の窓口負担(3割):30万円の支払いが必要です。
  • 高額療養費制度適用後:実際の自己負担額は8万7430円に抑えられます。

差額の21万2570円は「高額療養費」として払い戻されるため、一時的に窓口で高額な支払いをしたとしても、最終的な自己負担はこの金額まで軽減されます。

2.1 70歳以上の方が対象の「外来特例」とはどのような制度か

加えて、70歳以上の方を対象に、日々の外来診療にかかる窓口負担を特別に軽減する「外来特例」という制度も設けられています。

70歳以上の一般・低所得者の自己負担限度額(現行)3/5

70歳以上の一般・低所得者の自己負担限度額(現行)

出所:厚生労働省「高額療養費制度について」

厚生労働省「高額療養費制度について」によると、現行制度では、一般的な所得層(窓口負担2割)の場合、1カ月の外来自己負担上限額は1万8000円です。

また、年間の上限額も14万4000円に設定されています。

このように月ごとと年ごとの上限が設けられていることで、持病などで定期的な通院が必要な方でも、家計への負担を抑えながら安心して治療を継続できる設計になっています。