4. 「今回は違う」のか?投資家が注目すべきポイント

会社側は、AI需要の強さを背景に、2030年度には売上高1兆円以上、営業利益3,000億円以上という極めて強気な中期見通しを発表しています。現在からわずか数年で規模を倍増させるという計画です。

過去の歴史を知るプロの投資家ほど、「今回は違う」という言葉を安易には信じない傾向があります。

AIの成長性が本物であることは間違いありませんが、それが一直線に伸び続ける保証はどこにもありません。

電子セグメントの売上見通し(2026年度・AIサーバー向けが約半分弱)4/4

電子セグメントの売上見通し(2026年度・AIサーバー向けが約半分弱)

出所:イビデン「2026年3月期 決算説明会資料」(2026年5月12日)p.8

では、投資家は今後イビデンの株価とどう向き合えばよいのでしょうか。泉田氏は、市場の熱狂に流されず、冷静に事実を確認していくことの重要性を説きます。

「やっぱりEVの市場が伸びますよ、でも実際のセールスはこうでしたよみたいなズレが出てきちゃうと、今までの方向を修正しなきゃいけなくなっちゃうんで。今回の場合だと設備投資なんですけども、そうならないように各四半期ごとの決算をチェックしながら、市場の伸びと合ってるかどうかを見ることが大事かなと思いますね」

イビデンが手掛けるAI向けICパッケージ基板は、間違いなくこれからの時代に必要な技術です。前受金を活用した資金調達も、リスクを抑えるための合理的な判断と言えます。

しかし、過去の歴史が示す通り、需要の急減というマクロ環境の変化は常に起こり得ます。

「3度目の正直」となってイビデンがさらなる飛躍を遂げるのか、それとも「2度あることは3度ある」となってしまうのか。

投資家には、四半期ごとの決算発表を通じて、会社が描くバラ色のストーリーと実際の需要(セールス)にズレが生じていないかを、慎重に見極める姿勢が求められています。

参考資料

  • イビデン株式会社「2026年3月期 決算短信」(2026年5月11日)
  • イビデン株式会社「2026年3月期 決算説明会資料」
  • イビデン株式会社「2025年3月期 有価証券報告書
  • YouTubeチャンネル「イズミダイズム」