6月も下旬に差し掛かり、梅雨の季節となりました。
今月は、公的年金の改定額が反映される大切な時期です。
2026年度は物価や賃金の変動を受け、国民年金は前年度比で1.9%、厚生年金は2.0%の増額となりました。
しかし、実際に受け取る年金額は、一人ひとりの状況によって大きく異なります。
特に60歳代から80歳代の方々は、現役時代の働き方や加入期間が受給額に影響しやすいため、「自分の年金額は平均と比べてどうなのだろう」と関心を持つ方も多いかもしれません。
また、高齢化が進む日本では、シニア世代における住民税非課税世帯の割合が増加する傾向にあります。
年齢を重ねるにつれて収入源が変化し、公的年金への依存度が高まることも一因と考えられます。
この記事では、2026年度の年金改定内容をふまえ、60歳から89歳までの平均年金月額や受給額の分布、そして高齢世代における非課税世帯の実態について、公的なデータを用いて詳しく解説します。
次回の支給は8月14日ですが、「厚生年金・国民年金」平均受給月額はいくらなのでしょうか。
1. 「国民年金」と「厚生年金」の基本。日本の公的年金における2階建て構造を解説
日本の公的年金制度は、国民年金と厚生年金の2種類で構成されています。
そのため、下の体系図で示されるような「2階建て」構造と呼ばれています。

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出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成
1.1 1階部分にあたる「国民年金(基礎年金)」とは
国民年金制度の加入対象は、原則として日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての方です。
年金保険料は全国一律で、毎年度見直しが行われます(※1)。
40年間、保険料をすべて納付した方は、65歳から満額の老齢基礎年金(※2)を受け取ることができます。
※1 国民年金保険料:2026年度月額は1万7920円
※2 国民年金(老齢基礎年金)の満額:2026年度月額は7万608円
1.2 2階部分にあたる「厚生年金」の仕組み
厚生年金制度は、会社員や公務員などが加入する制度です。
さらに、特定適用事業所(※3)で働くパートタイマーなど、一定の要件を満たした方も対象となり、国民年金とあわせて加入します。
- 年金保険料(※4):給与水準に応じて決まります(上限あり)
- 老後の受給額:加入期間や支払った保険料額によって個人差が生じます
※3 特定事業所:1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業など
※4 厚生年金の保険料額:標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算される
日本の公的年金は「2階建て構造」と表現され、1階が「国民年金」、2階が「厚生年金」という位置づけです。
それぞれ加入対象者や保険料の決定方法、将来受け取れる年金額などに大きな違いがあります。
1.3 2026年度の年金額改定の内容について
公的年金の金額は、毎年度、賃金や物価の変動をふまえて改定される仕組みです。
2026年度の年金額は、前年度と比較して国民年金が+1.9%、厚生年金が+2.0%の増額改定となりました。
国民年金(老齢基礎年金)の満額は月額7万608円(1人あたり)、厚生年金はモデル世帯(会社員の夫と国民年金のみの妻)の場合で月額23万7279円(夫婦2人分)です。
ただし、実際に受け取れる年金額は、現役時代の年金加入状況によって一人ひとり異なります。