6. 【相談事例】将来の資金不足に気づいた40代共働き世帯の資産見直し

老後の生活費や教育資金など、将来に向けたお金の準備について、「公的年金や預貯金だけで本当に足りるのだろうか」と不安を感じる方が多いようです。特に昨今の物価上昇を背景に、これまで通りの備え方で良いのかと迷うという声もよく聞かれます。

40代のお客様
将来のために預貯金に加えて複数の積立型保険や個人年金保険に加入し、まとまった資金を準備してきました。ただ、物価上昇率を踏まえて将来の資金シミュレーションをしたところ、想定以上に老後資金が不足する可能性に気づき、今のままの保険を続けてよいのか、別の運用方法に切り替えるべきなのか悩んでいます。

長年コツコツと積み立ててきたからこそ、それを解約して新しい方法に踏み出すことには抵抗を感じる方も多いようです。同じような迷いは、実際の相談の場でも少なくありません。

こうした悩みに対して、年金以外に備えておきたい3つの選択肢と考え方を紹介します。

1. 既存の積立型保険の運用効率を見直す
まず着手したいのは、長年加入している円建て保険の整理です。将来の受取額と現在の運用利回りを比較し、「今の保険のままでは運用効率が低く、まとまった資金をより効率の良い外貨建ての保険などで運用した方が良さそうだ」という気づきを得る方も少なくありません。金利が高かった時代と異なり、現在の円建て保険だけではインフレに対応しきれないケースも増えています。すべてを解約するのではなく、残すものと見直すものを仕分けすることが、資産再構築の第一歩になります。

2. 外貨建て資産を取り入れてリスクを分散する
次に検討したいのが、円以外の資産を持つことです。当初は為替変動に懸念を持つ方も多いですが、「円だけの資産で固めておくこと自体がリスクであり、ドル建て資産を持つことでインフレや円安に対応できる」という視点は大切です。日本円の価値が相対的に下がる局面では、外貨資産が生活を守るクッションの役割を果たします。一方で、運用効率は外貨建てが優れていても為替リスクがあるため、円と外貨の比重を半分ずつにするなど、どちらか一方に偏らずバランスを保つことが長期的な安心につながります。

3. NISAを活用し、守りと攻めのバランスを取る
さらに、保険の見直しで生まれた資金の一部をNISAでの運用に回すことも選択肢の一つです。ただ、すぐに全額を投資するのではなく、市場状況を踏まえて積立額や一括投資のタイミングを慎重に考えたいという声も多く聞かれます。非課税メリットが大きいからといって、手元の資金をすべてリスク資産に投じるのは危険です。保険や債券のような「守りの資産」で基盤を作りつつ、NISAで「攻めの運用」を無理のない範囲で取り入れることで、相場変動に一喜一憂しない資産形成が可能になります。
【新NISAシミュレーション】月10万円×15年積立+放置で資産はどう化ける?月3万円の少額戦略も公開

「投資をしなければ」「保険はすべて解約すべきだ」と決めつける前に、既存の備えの効率、通貨の分散、そしてリスク資産とのバランスを一つずつ整理してみることが、年金に頼りきらない将来の安心を作る出発点になります。

7. 監修者コメント:「もらえるお金」と「増やすお金」、両輪で備える大切さ

中本 智恵

年金生活者支援給付金のように「申請すればもらえるお金」と、NISAや外貨建て資産のように「自分で育てるお金」は、どちらも老後の家計を支える大切な両輪です。かつて銀行窓口で勤務していた頃も、片方だけに気を取られて、もう片方の存在を忘れてしまっている方が意外と多かった印象です。

特に年金生活者支援給付金は、所得基準をわずかに超えただけで「自分はもらえない」と思い込んでいる方が少なくありません。今回ご紹介した補足的給付金の仕組みのように、基準を超えても段階的に受け取れるケースがあることは、ぜひ覚えておいていただきたいポイントです。

一方で、シニア世代のみならず現役世代も、預貯金や保険だけでは物価上昇に対応しきれないという不安もあるでしょう。既存の備えを見直し、通貨や資産の種類を分散させながら、無理のない範囲で自助努力を積み重ねていくことが、公的な制度と組み合わさって初めて、老後の安心につながります。まずはご自身が申請できる制度がないか、そして今の資産配分に偏りがないか、この機会にあわせて確認してみてください。

8. まとめ

本記事では、年金生活をサポートする「年金生活者支援給付金」について、その種類や支給要件、手続き方法などを詳しく見てきました。

老齢・障害・遺族の3つの基礎年金いずれかを受給しており、所得が一定基準以下であることなどが主な条件となります。

ご自身が対象になるかどうか、記事で紹介した要件を参考に一度確認してみてはいかがでしょうか。

この給付金は、自動的に支給されるものではなく、請求手続きが必要です。

特に新たに対象となった方には、日本年金機構から請求書が送られてきますので、見逃さないように注意しましょう。

利用できる制度を正しく理解し、適切に活用することは、これからの暮らしの安心につながります。

もし不明な点があれば、給付金専用ダイヤルやお近くの年金事務所に相談してみるのも一つの方法です。

参考資料