夏のボーナスが支給されるこの時期。支給額を見て、今後のキャリアや収入について考えを巡らせている方も多いのではないでしょうか。
キャリアアップの選択肢として管理職を目指す方もいますが、実際に役職に就くと収入はどのくらい変わるのでしょうか。
この記事では夏のボーナスについてみた後、管理職の平均年収や、その役割に伴う実情について解説します。ご自身のキャリアプランを考える際の参考にしてみてください。
1. 2026年夏のボーナス「増える」企業37.1%。平均支給額は約47万円
まず帝国データバンク「2026年夏季賞与の動向アンケート」によると、2026年夏のボーナスの従業員1人当たり平均支給額が増える企業は37.1%(前年比+3.4ポイント)。その他の状況もみていきましょう。
1.1 2026年夏のボーナス
- 賞与はあり、増加する:37.1%(前年比+3.4ポイント)
- 賞与はあり、変わらない:37.2%(前年比+0.2ポイント)
- 賞与はあるが、減少する:10.7%(前年比▲1.3ポイント)
- 賞与はない:11.0%(前年比▲2.0ポイント)
規模別に「賞与はあり、増加する」企業の割合をみると、「大企業」は44.4%は全体(37.1%)を7.3ポイント上回る一方で、「中小企業」は36.0%と全体を下回り、なかでも「小規模企業」は31.4%と水準が低く、企業規模による差が見られます。ボーナスの観点でいえば企業規模や業種なども増減に関係しているでしょう。
また正社員1人当たりの平均支給額をみると、全体平均は47.7万円(前年比+1.8万円)。
金額別にみると「30万~50万円未満」が最も高く37.0%で、次いで「50万~75万円未満」が26.2%、「15万~30万円未満」が19.4%などとなっています。
年収を上げる要素の一つであるボーナス。とはいえ変動しやすいため、固定給で年収を上げたいと考える方もいると思います。固定給が上がる要素の一つに役職がありますが、では中間管理職の平均的な収入はいくらでしょうか。
2. 【中間管理職の平均年収一覧表】部長・課長・係長ごとにいくらもらっているのか見る
厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査 役職別」を基に、中間管理職である「部長」「課長」「係長」の平均的な年収を確認していきましょう。
※本記事で用いる賃金とは、調査対象年の6月分における所定内給与額の平均を指します。これは、実際に支払われた給与から時間外手当などを除いたもので、所得税などが差し引かれる前の金額です。
最初に、部長・課長・係長それぞれの平均賃金(月収)と平均年齢をみてみましょう。
2.1 役職別の平均月収(賃金)と平均年齢
- 部長職
- 男女計:賃金 63万5800円/平均年齢 53.1歳
- 男性:賃金 64万2400円/平均年齢 53.1歳
- 女性:賃金 57万8300円/平均年齢 53.0歳
- 課長職
- 男女計:賃金 52万9200円/平均年齢 49.5歳
- 男性:賃金 54万1400円/平均年齢 49.5歳
- 女性:賃金 47万300円/平均年齢 49.4歳
- 係長職
- 男女計:賃金 39万9200円/平均年齢 45.4歳
- 男性:賃金 41万900円/平均年齢 45.3歳
- 女性:賃金 36万5700円/平均年齢 45.7歳
上記の月収(男女計)を基に、賞与を年2回(合計で月収の4カ月分)と仮定した場合の平均年収を試算すると、以下の金額が目安となります。
2.2 ボーナス込みの平均年収を試算
- 部長職の平均年収:約1017万円
- 課長職の平均年収:約846万円
- 係長職の平均年収:約638万円
参考として、役職に就いていない一般社員(非役職者)のデータは以下の通りです。
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非役職者
- 男女計:賃金 31万500円/平均年齢 41.8歳
- 男性:賃金 33万2100円/平均年齢 42.1歳
- 女性:賃金 28万100円/平均年齢 41.3歳
同様に年収を試算すると、約504万円になります。
国税庁が公表した「令和6年分 民間給与実態統計調査」によれば、日本の給与所得者全体の平均年収は478万円です。この数値と比較すると、中間管理職の年収は平均を上回る水準にあるといえるでしょう。
また、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 役職別」から役職者と非役職者の賃金格差を見ると、部長の月収は非役職者の約2.05倍、課長は約1.7倍、係長は約1.28倍という結果でした。
中間管理職は高い給与水準にある一方で、その立場に見合った重い責任を担っています。近年では「管理職は罰ゲーム」と揶揄されることもあるように、誰もが管理職を目指す時代ではなくなっているともいえるでしょう。
3. 中間管理職が直面する現実的な課題
中間管理職は平均年収が高い水準にあるものの、その裏で難しさを感じている人も少なくないのが実情です。
「管理職は罰ゲーム」といわれる背景には、責任や業務量の増加、上司と部下の間で板挟みになる状況、部下育成の難しさ、ハラスメントのリスクなどが挙げられます。もちろん、具体的な悩みは企業によって異なりますが、業務内容の整理だけでなく、社内制度や研修体制の見直しが求められるケースもあります。
また、管理職という役割には適性も影響します。目標達成意欲や課題解決能力、部下を育てる力、ストレスへの耐性などを持ち、チームで成果を出すことにやりがいを感じる人にとっては、魅力的なポジションでしょう。
その一方で、マネジメント業務よりも専門性を追求するスペシャリストとしてのキャリアを望む人や、そちらのほうが適している人もいます。
単に収入を増やすという目的だけで役職を目指すのではなく、自身の適性やキャリアビジョンに合った道を選択することが重要です。
4. まとめにかえて
収入を増やす方法は昇進だけに限られるわけではありません。
本業のスキルを磨いて昇給を目指すことに加え、会社の規定が許せば副業を始める、あるいはリスクを理解した上で資産運用に取り組むといった選択肢も考えられます。
いずれにせよ主に重要なのが「適性」や「希望」、そして「継続」です。適性があり、自身もやりたい気持ちをもつことで主体的な動きができ収入が上がることもありますし、続けることで収入や資産が増えていくこともあります。
どの道を選ぶにしても、それぞれにメリット・デメリット、そしてリスクは伴います。
この機会に、ご自身のキャリアプランや将来のマネープランについて、じっくりと考えてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 役職別」
- PRTIMES「企業の37.1%で夏ボーナス「増加」 平均支給額は47.7万円、前年から1.8万円増 業績回復と物価高が後押し 一方で、「中東情勢」でボーナス抑制の動きも」
宮野 茉莉子