3. 「老後2000万円」でも足りない可能性が
注意したいのは、金融資産を2000万円以上保有していても安心とは限らない点です。不足する可能性がある理由は、主に2つあります。
3.1 インフレが続いている
総務省の消費者物価指数をみると、2022年以降は前年比2~3%台の物価上昇が続いています。仮に年2%のインフレが20年間続くと、お金の実質的な価値は約3分の2に目減りする計算です。2000万円の購買力が、20年後には約1350万円相当まで下がってしまいます。
現金や預金だけで持ち続けるほど、インフレの影響を直接受ける点には注意が必要です。
3.2 平均余命が伸びている
厚生労働省の簡易生命表によると、65歳時点の平均余命は男性が約19年、女性が約24年です。「人生100年時代」といわれるとおり、老後の期間は従来の想定より長くなっています。長生きするほど、生活費や医療・介護費の総額も膨らみます。
こうした背景を踏まえると、計画的な資産形成と「できるだけ長く働く」というアプローチが欠かせません。新NISAを中心に、iDeCoを利用できる人は税制優遇制度も活用しながら資産の寿命を延ばしつつ、就労収入で取り崩しの開始を遅らせる。この両輪で備えるのが現実的でしょう。