2. なぜ受給額に差がつく?公的年金の「2階建て構造」をおさらい
ここで、受給額に差が出る理由として、日本の年金制度の仕組みを確認しておきましょう。
公的年金制度は、「国民年金」を土台とし、会社員や公務員が「厚生年金」に上乗せ加入する二階建て構造です。
- 1階部分「国民年金(基礎年金)」: 原則として国内在住の20歳以上から60歳未満の全員が加入。保険料は全員一律(2026年度月額 1万7920円)で、受給額に大きな差は出にくい構造です。
- 2階部分「厚生年金」: 会社員や公務員などが加入。収入に応じて保険料が給与天引きされ、加入期間や納付額により受給額に大きな個人差が生じます。
3. 年金だけでは赤字に…データが語るシニア世帯の「リアルな生活費」
「月20万円以上」もらえる人が少ない現実に対し、実際の老後生活にはいくらかかるのでしょうか。総務省の「家計調査報告(家計収支編)-2025年(令和7年)平均結果-」による、65歳以上の無職世帯(二人以上の世帯)の家計収支を見てみましょう。
- 毎月の実収入: 25万4395円(うち年金などの社会保障給付が大部分)
- 毎月の実支出: 29万6829円(消費支出+税金等の非消費支出)
平均的なシニア夫婦の実支出は約30万円に迫り、収入から差し引くと毎月「約4.2万円の赤字」が発生しています。
標準的な生活を送るだけでも、年間にして約50万円の「貯蓄の取り崩し」が必要なのが実態です。老後が30年続けば、単純計算で1500万円以上の貯蓄が目減りします。

