「空調服」という製品をご存じだろうか。これは、服の腰あたりに付けた2基の小型ファンで服の中に外気を取り入れ、体表面に大量の風を流すことにより汗を気化させて、涼しく快適に過ごすことができる服型の冷却装置だ。このユニークな製品をゼロから開発したのが、株式会社空調服の代表取締役会長を務める市ヶ谷弘司さんだ。いまでは空調服は知る人ぞ知る製品に育ち、同氏もNHK「おはよう日本」、テレビ東京系「ガイアの夜明け」など、さまざまなメディアで取り上げられているが、今日に至るまでは紆余曲折があったという。ソニーで20年あまりを技術者として過ごした後に独立、空調服以外にもさまざまなアイデアを形にしてきた市ヶ谷氏に、その開発ヒストリーを振り返ってもらった。