4. 【積立額別シミュレーション】50歳から65歳までに2000万円を目指すには?
ここでは、15年間で老後資金2000万円を準備することを想定し、毎月どの程度積み立てる必要があるのかを試算します。
前提条件は、年利3%で投資信託を運用するケースです。
4.1 積立額別「年利3%・15年間」の資産評価額
毎月の積立金額:資産評価額
- 1万円:227万円
- 3万円:680万9000円
- 6万円:1361万8000円
- 9万円:2042万8000円
- 12万円:2723万7000円
※想定利回り:年3%
この試算では、年利3%で15年間運用した場合、毎月9万円の積立を続けることで資産額が2000万円を超える結果となりました。
とはいえ、毎月9万円を積み立て続けることは簡単ではなく、また運用利回りも確実ではないため、想定どおりの結果になるとは限りません。
老後資金づくりでは、積立期間を長く確保することも重要です。
たとえば、年利3%で30歳から65歳まで35年間積み立てる場合は、2000万円を目指すために必要な積立額は毎月約2万7000円まで抑えられます。
このように、早い時期から積立を始めるほど、毎月の負担を軽減しながら資産形成を進めやすくなります。
住宅ローンや教育費など、ライフステージによって家計の余裕は大きく変わります。積立期間を長く取れるほど毎月の負担は軽くなるため、始めるタイミングを先延ばしにせず、少額からでも早めにスタートすることをおすすめします。特に子育て世代では「教育費が落ち着いてから始めたい」と考える人も少なくありませんが、その分積立期間が短くなり、後から毎月の負担が重くなってしまう点には注意が必要です。
5. 現役FPが提案!毎月5万円の積立が難しい場合に覚えておきたい3つの選択
毎月5万円を積み立て続けることができれば老後資金づくりを進めやすくなりますが、教育費や住宅ローンなどの支出がある現役世代にとっては、決して簡単な金額ではありません。
そのような場合は、次の3つの選択を意識すると無理なく資産形成を続けやすくなります。
5.1 1:少額から始める
新NISAでは、金融機関によっては毎月1000円や1万円程度から積立投資を始めることができます。
最初から高額な積立額を目指す必要はありません。
5.2 2:積立額を柔軟に見直す
積立額は途中で変更できます。
収入や家計の状況に合わせて増減させたり、ボーナス時に追加で投資したりするなど、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
5.3 3:長く続けることを優先する
資産形成では、一度に多く投資することよりも、無理のない金額で長期間続けることが重要です。
積立期間が長くなるほど複利の効果も期待しやすくなるため、継続を最優先に考えるとよいでしょう。
このように、新NISAでは自分の家計に合った金額から積立を始め、状況に応じて積立額を見直しながら長期的に続けることが大切です。
また、積み立てた資産は途中で売却することも可能です。
6. 長期・積立・分散投資を意識して新NISAを活用しよう
本記事では、新NISAの基本的な仕組みや非課税制度の特徴、長期投資の効果、運用シミュレーションについて解説しました。
シミュレーション結果はあくまで一定の条件を前提とした試算であり、将来の運用成果を保証するものではありません。
投資には価格変動などのリスクが伴うため、自身の資産状況やリスク許容度を踏まえたうえで、長期・積立・分散投資を基本に無理のない範囲で継続することが大切です。
7. 元生命保険会社勤務・現役FPからの相続を見据えた資産形成アドバイス
教育費や住宅ローンなど支出が多い時期には「投資までは手が回らない」と感じる人は少なくありません。今回ご紹介したとおり、毎月の積立額を無理に増やさなくても、積立期間を長く取ることで着実に資産を積み上げられるのが新NISAの強みです。実際、毎月の負担を抑えながら30年、35年という長いスパンで積み立てた場合、複利効果によって当初の想定を上回る資産評価額になることは珍しくありません。
また、相続診断士の知識を踏まえてお伝えすると、新NISAで積み立てた資産は将来的にご家族へ引き継ぐ財産にもなり得ます。ご自身の資産形成だけでなく、将来相続が発生した際にどう分けたいか、あるいは誰にどう託したいかを早いうちから意識しておくことも、後悔のない資産づくりにつながります。特に複数のお子様がいるご家庭では、資産の分け方を事前に話し合っておくことで、将来的なトラブルを防ぎやすくなるといわれています。
投資は将来を保証するものではないため、まずは無理のない金額で始め、ライフステージの変化に応じて積立額を見直しながら、長期的な視点で続けていただければと思います。ご自身だけで判断が難しい場合は、ファイナンシャルアドバイザーなど専門家に相談しながら、ライフプラン全体のなかで新NISAを位置づけていくこともひとつの方法です。
参考資料
菅原 美優

