4. 【40歳代・50歳代・60歳代・70歳代】手取りからの貯蓄割合「平均」は何%?

最後に、同じくJ-FLEC(金融経済教育推進機構)の「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」から、40歳代〜70歳代の手取りに対する貯蓄割合を確かめておきます。

4.1 【単身世帯】手取り収入からの貯蓄割合の平均は?

J-FLECの同資料によれば、単身世帯が年間の手取り収入から預貯金へ振り向けている平均割合は次のとおりです。

  • 40歳代:17%
  • 50歳代:16%
  • 60歳代:20%
  • 70歳代:23%
    ※金融資産保有世帯のうち金融資産に振り分けた世帯

同じ年間手取り収入のうち、債券・投資信託・株式へ振り向けている割合はこちらです。

  • 40歳代:17%
  • 50歳代:12%
  • 60歳代:9%
  • 70歳代:10%
    ※金融資産保有世帯のうち金融資産に振り分けた世帯

単身世帯は年代によって、お金の「守り」と「増やし方」の比重が変化していく姿がうかがえます。

年齢が上がるほど手取りから預貯金へ回す比率が高まり、60歳代以降は将来の支出に備える安定志向のお金の置き方が見えてきます。

いっぽうで債券や投資信託、株式への振り分けは40歳代がいちばん高く、その後は年代を追うごとに縮小しており、運用リスクをおさえる方向へとゆるやかに移っていく流れが読み取れます。

4.2 【二人以上世帯】手取り収入からの貯蓄割合の平均は?

同じJ-FLECの資料で、二人以上世帯の年間手取り収入のうち、預貯金へ充てている平均割合を確かめます。

  • 40歳代:18%
  • 50歳代:17%
  • 60歳代:17%
  • 70歳代:16%
    ※金融資産保有世帯のうち金融資産に振り分けた世帯

続いて、債券・投資信託・株式へ振り向けている割合を並べてみます。

  • 40歳代:15%
  • 50歳代:13%
  • 60歳代:10%
  • 70歳代:14%
    ※金融資産保有世帯のうち金融資産に振り分けた世帯

二人以上世帯では預貯金への振り分け割合に、40〜70歳代を通じた大きな違いは見られません。

長い期間を通じて安定した貯蓄の姿勢が続いている様子がうかがえます。

いっぽう、債券・投資信託・株式への振り分けは年代とともに一度下がるものの、70歳代では再び上向きます。

資産運用をぱたりとやめてしまうのではなく、状況に合わせて続けている様子も読み取れます。

家計全体を見渡しつつ、年代ごとにリスクの取り方を細かく調整している姿が、二人以上世帯の特徴と言えそうです。

5. 【まとめ】平均だけでなく中央値・分布で見ると、別の景色が立ちあがる

本記事では、J-FLEC「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」を手がかりに、40歳代〜70歳代の貯蓄額と手取りからの貯蓄割合を整理しました。

平均値だけを見ると、世帯のお金は順調に積み上がっているようにも映ります。

しかし中央値や分布まで踏み込むと、貯蓄100万円未満の世帯がいずれの年代でも2〜4割を占めるなど、別の景色が立ちあがってきました。

平均額は「傾向」をつかむのに役立つ一方、自分の暮らしと比べる物差しとしては万能ではありません。

大切なのは、平均との差分ではなく、ご自身のライフステージや支出ペースに合った「無理のない貯蓄の充て方」を見つけることです。

夏のボーナスや家計の見直しがしやすい時期に合わせて、毎月の手取りに対する貯蓄割合を一度書き出してみてはいかがでしょうか。

参考資料

太田 彩子