「年金額改定通知書」や「年金振込通知書」は、もうお手元に届きましたでしょうか。
毎年6月になると、こうした通知書がはがきや封筒で郵便受けに届けられます。今年は6月3日(水曜)から6月10日(水曜)にかけて順次発送されました。
記載されている振込額を眺めて、「これってどう読めばいいのだろう?」と首をかしげている方もいるかもしれません。
本記事では年金本体ではなく、「年金生活者支援給付金」に着目してみたいと思います。
厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2025年3月時点の平均給付月額は、老齢年金生活者支援給付金が「4146円」、障害年金生活者支援給付金が「5727円」、遺族年金生活者支援給付金が「5228円」となっています。
この記事では、年金にプラスして振り込まれる「年金生活者支援給付金」の支給要件・給付額・請求手続きを整理しつつ、令和8年6月発送の通知書から何が読みとれるのかをあわせて解説していきます。
1. 【年金生活者支援給付金】そもそもどんな制度?
「年金生活者支援給付金」とは、年金受給者の暮らしを支える目的でつくられた制度で、創設は2019年にさかのぼります。
所定の要件を満たしている対象者は、2カ月に1回、公的年金が振り込まれる支給日にあわせて、この給付金もあわせて受け取れる仕組みになっています。
給付金には3つの種類が用意されており、受給している基礎年金にあわせて「老齢年金生活者支援給付金」「障害年金生活者支援給付金」「遺族年金生活者支援給付金」のいずれかに区分されます。
つまり、それぞれの所得要件をクリアしている基礎年金受給者が、給付金の支給対象になるというわけです。
2. 【年金生活者支援給付金】支給要件をやさしく整理
ここからは気になる支給要件について、ひとつずつ確認していきましょう。
2.1 「障害」「遺族」の年金生活者支援給付金は誰が対象?
はじめに「障害年金生活者支援給付金」と「遺族年金生活者支援給付金」ですが、対象となるのはそれぞれ障害基礎年金もしくは遺族基礎年金を受給している方で、前年の所得が「479万4000円以下」であることが条件です。
ここで押さえておきたいのは、所得を判定するときに障害年金や遺族年金などの非課税収入はカウントしないという点になります。
扶養親族の人数にあわせて、所得の基準額が上がる仕組みがあることも知っておきましょう。
2.2 「老齢年金生活者支援給付金」3つの支給要件とは?
続いて、老齢年金生活者支援給付金です。こちらは少し条件が異なり、次の要件をすべて満たしている必要があります。
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税
- 前年の公的年金等の収入金額とその他の所得(給与所得や利子所得など)との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は80万9000円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は80万6700円以下
老齢年金生活者支援給付金は、本人の所得だけでなく世帯全員の課税状況にも要件が加わる点が特徴ですね。
なお、こちらの判定にも障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません。
また、「基準額をぎりぎりで満たして給付対象となる方」と「わずかに基準額を超えて給付対象外となる方」との間に不公平感が生じないように、「補足的老齢年金生活者支援給付金」も用意されています。
こちらの対象になるのは、「昭和31年4月2日以後に生まれた方で80万9000円を超え90万9000円以下である方」、「昭和31年4月1日以前に生まれた方で80万6700円を超え90万6700円以下である方」です。
3. 【最新データ】年金生活者支援給付金はいくらもらえる?「給付件数」もあわせて確認
厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、実際に支給された給付金の平均月額を見ていきましょう。
2025年3月時点の平均給付月額は、老齢年金生活者支援給付金が「4146円」、障害年金生活者支援給付金が「5727円」、遺族年金生活者支援給付金が「5228円」となっていました(※)。
※2025年3月において認定されている平均給付金額です。
給付金額別の給付件数は、種類ごとに次のような分布となっています。
3.1 【老齢年金生活者支援給付金】給付金額別の給付件数
- 1000円未満:7万5101件
- 1000円以上2000円未満:31万4450件
- 2000円以上3000円未満:59万9166件
- 3000円以上4000円未満:108万2177件
- 4000円以上5000円未満:103万4357件
- 5000円以上6000円未満:104万5423件
- 6000円以上7000円未満:18万5291件
- 7000円以上8000円未満:9万3265件
- 8000円以上9000円未満:4万4796件
- 9000円以上1万円未満:1万9891件
- 1万円以上:1万524件
3.2 【障害年金生活者支援給付金】給付金額別の給付件数
- 5000円以上6000円未満:149万3700件
- 6000円以上7000円未満:68万3466件
3.3 【遺族年金生活者支援給付金】給付金額別の給付件数
- 1000円未満:ー
- 1000円以上2000円未満:607件
- 2000円以上3000円未満:1569件
- 3000円以上4000円未満:ー
- 4000円以上5000円未満:ー
- 5000円以上:7万5531件
4. 【もう届いた?】年金額改定通知書・年金振込通知書の見方
「年金生活者支援給付金」の手続きを済ませている方や、すでに年金を受け取っている方のお手元には、6月になると年金関連の通知書が郵送されます。
令和8年度の「年金額改定通知書」と「年金振込通知書」は、令和8年6月3日(水)から6月10日(水)にかけて順次発送されています。
郵便事情にもよりますが、おおむね到着まで3日から9日程度かかると案内されています。
なお、在職中で年金が支給停止となっている方については、令和8年5月8日(木)に先行して発送されました。
4.1 【届き方】はがきと封筒、2つのタイプを知っておく
通知書の届き方は、受給状況によって変わってきます。
年金と「年金生活者支援給付金」をあわせて受け取っている方には、両方の通知内容を1枚にまとめた「大判はがき」が届きます。
一方で、遺族年金を受け取っている方、複数の年金を受給している方、視覚障害による障害年金を受け取っている方には、「封筒」で送付される仕組みです。
視覚障害による障害年金を受給している方への送付物には、音声コードもあわせて印刷されています。
4.2 「年金額改定通知書」「年金振込通知書」ここをチェック
2種類の通知書には、それぞれ次の内容が記載されています。
- 「年金額改定通知書」:令和8年度の改定後の年金額
- 「年金振込通知書」:令和8年6月以降の変更後の振込額
はがきサイズと大判はがきサイズで様式が異なるため、ご自身の通知書の該当欄を落ち着いて見ていきましょう。
また、在職老齢年金制度の見直しにあわせて支給停止のしくみが変更されたことに伴い、対象となる方の支給停止額の欄には「#」マークが表示されています。
「#」がついている方は、令和7年度の年金制度改正に伴う表示と理解しておけば安心です。
4.3 【便利】ねんきんネットでも内容を確認できる
紙の通知書を受け取ったあとは、「ねんきんネット」での確認も活用してみてはいかがでしょうか。
令和8年度分の通知書は、令和8年6月9日(火)から、ねんきんネット上で表示できるようになっています。
PDFで保存したり印刷したりも可能なので、紙のはがきを紛失してしまったときの控えとしても役立ちます。
金額の見方や記載内容で気になる点があったときは、お住まいを管轄する年金事務所や「ねんきんダイヤル」での問い合わせも検討してみてください。
5. 【まとめ】年金生活者支援給付金と通知書で、わが家の振込額をひとつずつ確かめる
「年金生活者支援給付金」は、所得要件を満たした基礎年金受給者の暮らしを支える上乗せ給付の制度です。
2025年3月時点の平均給付月額は、老齢で「4146円」、障害で「5727円」、遺族で「5228円」となっていました。
対象に該当しそうな方は、まずは申請書の提出から始まり、一度手続きをすれば原則として翌年以降の請求は不要となります。
6月に届く「年金額改定通知書」「年金振込通知書」は、改定後の年金額と振込額をチェックできる大切な書類です。
手元に届いた通知書の数字をきっかけに、ご自身やご家族の老後の家計をあらためて棚卸ししてみてはいかがでしょうか。




