物価の上昇や社会保険料の負担が増すなか、給付金のニュースなどで「住民税非課税世帯」という言葉を耳にする機会が増えたのではないでしょうか。

住民税が非課税になるかどうかは、年齢や家族構成、収入の種類によって基準が異なり、特に65歳以上の方にとっては生活に直結する重要な情報です。

住民税非課税世帯に該当すると、臨時給付金の対象になるだけでなく、国民健康保険料や介護保険料の軽減など、さまざまな公的支援を受けられる可能性があります。

この記事では、65歳以上の単身世帯と夫婦世帯に焦点を当て、住民税非課税となる年収の目安や、対象となった場合に受けられる主な優遇措置について、わかりやすく解説します。

1. 「住民税非課税世帯」の定義とは?基本的な仕組みを解説

はじめに、「住民税非課税世帯」がどのような世帯を指すのか、その基本的な定義について確認しておきましょう。

住民税は、前年の所得に基づいて課税される地方税で、所得にかかわらず定額が課される「均等割」と、所得額に応じて税額が決まる「所得割」の2種類から構成されています。

そして、世帯に属する全員が、この「均等割」と「所得割」のどちらも課税されていない状態である場合、その世帯が「住民税非課税世帯」として扱われます。

それでは、日本において「住民税非課税世帯」は、どのくらいの割合で存在するのでしょうか。

1.1 65歳以上で住民税非課税世帯に該当する割合はどのくらい?

厚生労働省が公表した「令和6年 国民生活基礎調査」によると、住民税が課税されている世帯の割合は、世帯主の年齢によって大きな違いがあることがわかります。

住民税が課税されている世帯の割合1/4

住民税が課税されている世帯の割合

出所:厚生労働省「令和6年国民生活基礎調査」をもとにLIMO編集部作成

  • 29歳以下:63.0%
  • 30〜39歳:87.5%
  • 40~49歳:88.2%
  • 50~59歳:87.3%
  • 60~69歳:79.8%
  • 70~79歳:61.3%
  • 80歳以上:52.4%
  • 65歳以上(再掲):61.1%
  • 75歳以上(再掲):54.4%

現役世代である30〜59歳では課税世帯の割合が約88%と高くなっていますが、70歳代になると61.3%、80歳以上では52.4%まで低下します。

このデータから、年齢が上がるにつれて住民税非課税世帯の割合が増加する傾向が読み取れます。

その背景として、多くの方が定年退職を迎え、主な収入源が公的年金へと移行することが大きな要因です。また、高齢者世帯は非課税の基準が比較的緩やかに設定されていることも影響しています。

そのため、収入構成が変化する65歳という節目に、住民税の仕組みや非課税世帯の基準について理解を深めておくことは非常に重要です。

次の章では、住民税非課税世帯に該当する具体的な3つの条件を見ていきます。

1.2 住民税非課税世帯に該当するための3つの要件

住民税が非課税となる基準は各自治体で定められていますが、一例として東京都港区のケースを見てみましょう。

  1. その年の1月1日時点で、生活保護法に基づく生活扶助を受けている方
  2. 障害者、未成年者、ひとり親、寡婦(夫)に該当し、前年の合計所得金額が135万円以下(給与収入のみの場合は204万4000円未満)の方
  3. 前年の合計所得金額が、自治体の定める基準額以下の方

これらのうち、「前年の合計所得金額が一定額以下」という条件の基準額は、お住まいの地域によって異なります。

したがって、ご自身の正確な基準を知るためには、お住まいの市区町村の公式サイトで最新の情報を確認することが重要です。

次章では、神戸市の例を参考に、住民税非課税となる所得の目安について確認します。