初夏の過ごしやすい季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。2026年6月の年金支給日から年金額が改定されますが、「結局、自分の年金はいくらになるのだろう」と疑問に思っている方もいるかもしれません。

6月に支給される2026年度4月・5月分から、物価の変動に応じて年金額が引き上げられます。増額は喜ばしいことですが、この時期に決まって増えるのが「日本年金機構」を騙った不審な連絡や、口座情報を狙った巧妙な詐欺です。日本年金機構の公式サイトでも「緊急情報」として注意を呼びかけています。

今回は、令和8年度の最新の年金額の目安を紹介するとともに、あなたの大切な老後資金を狙う犯罪から身を守るための具体的な方法をわかりやすく解説します。

1. 65歳以上は要注意。「日本年金機構」を騙る偽メール・SMSの巧妙な手口とは

年金額が改定されるという「公的な情報」は、残念ながら詐欺グループにとっても悪用しやすい口実となります。現在、次のような悪質な手口が確認されています。

1.1 口座情報を狙う「年金の残金がある」という連絡

実在しない部署名を名乗り、年金の未支給分があるかのように見せかけ、「払い戻し」と称して銀行の口座情報を入力させようとする手口です。

1.2 「年金保険料の未納」を口実に送金を要求する手口

「財産を差し押さえる」といった強い言葉で受け取った人の不安を煽り、キャッシュレス決済サービスを利用して送金させようとします。

重要な点として、日本年金機構からメールやSMSを通じて口座番号を確認したり、支払いを要求したりすることは一切ありません。身に覚えのない通知や、URLリンクが含まれたメッセージには絶対にアクセスしないようにしてください。

1.3 キャッシュレス決済の悪用による「銀行口座からの不正出金」にも警戒が必要

現在、警察庁などが特に強く注意を呼びかけているのが、「キャッシュレス決済サービスを介した不正出金」の被害です。

この手口では、犯人が何らかの方法で入手した口座情報を使い、本人になりすまして決済サービスのアカウントを作成し、銀行口座から不正に預金を引き出します。「スマートフォン決済は利用していないから大丈夫」と考えている方でも、銀行口座を持っているだけで被害に遭うリスクがあり、極めて危険です。

2. 2026年度の年金額改定、夫婦2人世帯で月額23万7279円に。月4000円以上の増額

法律に基づき、2026年4月分(6月15日支給分)から年金額が引き上げられることになりました。2025年度と比較すると、国民年金(基礎年金)は1.9%、厚生年金(報酬比例部分)は2.0%の増額となる見通しです。

1956年4月2日以降に生まれた方(新規裁定者)を例に、2026年度における年金月額の目安を見ていきましょう。

2.1 【令和8年度】年金種類別の月額目安

令和8年度の年金額の例(昭和31年4月2日以後生まれの方の場合)3/4

令和8年度の年金額の例(昭和31年4月2日以後生まれの方の場合)

出所:日本年金機構「令和8年4月分からの年金額等について」

  • 国民年金(老齢基礎年金・満額の場合):7万608円
  • 厚生年金(標準的な夫婦2人世帯※):23万7279円

※夫が平均的な収入(平均標準報酬43万9000円)で40年間厚生年金に加入し、その期間、妻が専業主婦だった場合の世帯を想定しています。
※1956年4月1日以前に生まれた方(既裁定者)の場合、適用されるスライド率が異なることがあります。

2.2 年金生活者支援給付金も3.2%増額へ

年金生活者支援給付金の給付基準額4/4

年金生活者支援給付金の給付基準額

出所:日本年金機構「令和8年4月分からの年金額等について」

これに加え、年金生活者支援給付金の給付基準額も物価の変動に合わせて見直されます。2026年度は前年度比で3.2%の引き上げとなります。実際の支給額は保険料の納付状況などにより個人差がありますが、家計の助けとなる制度です。

3. 年金の増額分を守るために。「通帳記帳」が有効な防犯対策となる理由

2026年度は物価上昇に伴い、国民年金や厚生年金、年金生活者支援給付金の増額が決定しました。これは家計にとって朗報ですが、制度が変わるタイミングは、日本年金機構を騙る詐欺メールやSMSが増加する傾向にあるため、十分な注意が求められます。

近年では、本人がキャッシュレス決済サービスを使っていなくても、銀行口座から預金が不正に引き出される巧妙な犯罪も発生しています。貴重な資産を守るためには、不審な連絡は無視することはもちろん、定期的に通帳へ記帳し、不審な取引がないかを確認する習慣を持つことが大切です。

もし被害に遭ってしまった場合でも、全額補償される制度が用意されています。日頃から対策を心掛け、安心してセカンドライフを送りましょう。

参考資料