2026年6月8日の東京株式市場は、日経平均株価が大幅に3日続落し、前週末比2,563円52銭(3.85%)安の6万4,024円60銭で取引を終えました。5日の米国市場における半導体株の急落や、中東情勢の緊迫化が再び意識されたことで、一時は下げ幅が3,000円を超える場面もありました。

こうした地合いの悪化を受け、市場ではこれまで出遅れ感のあった小売りやエンタメ関連など、内需・ディフェンシブ銘柄を物色する動きが強まっています。「ドン・キホーテ」を展開するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH:7532)もその一つで、8日の株価は小幅ながらも3日続伸となりました。

背景にあるのは、長引く物価高に伴う個人の「生活防衛意識」です。帝国データバンクが2026年5月29日に発表した調査によると、6月の飲食料品値上げは1,078品目にのぼり、2カ月ぶりに1,000品目の大台を超えました。

食料品や日用品の値上げラッシュに歯止めがかからないなか、少しでも支出を抑えたい個人投資家の間で、株主優待を設ける銘柄への関心が高まっています。

こうした層が今まさに熱い視線を送るのが、6月末に権利確定を迎えるパンパシHDの株主優待制度です。同社では、日々の買い物に利便性の高い電子マネー「majica(マジカ)」のポイントを付与する優待を設けており、インフレ局面において家計を助けてくれるものとなっています。

本稿では、同社の株主優待制度の概要や最新の株価、年間チャートを分かりやすく解説していきます。

1. 優待は電子マネー「majica(マジカ)」のポイント

パンパシHDの株主優待は、持っている株の数に合わせて、グループのお店で使える電子マネー「majica(マジカ)」のポイントがもらえる仕組みです。

優待は年に2回もらうことができ、毎日の食費や日用品の買い物にそのまま使えるため、「実用的で助かる」と投資家の間でも好評です。

さらに、2025年12月末権利分からは、新設された「株主様専用ページ」を通じて、ポイント付与に加えて新たに体験型の優待メニューも提供されています。

それでは、持っている株数に応じた優待内容をチェックしてみましょう。

 

1.1 【保有株数別】もらえるmajicaポイント

 

優待がもらえる「権利確定」は6月末・12月末の年2回、チャンスがあります。

  • 100株以上 〜 300株未満

majicaポイント 300円分(年2回 / 年間600円分)

  • 300株以上 〜 500株未満

majicaポイント 1,000円分(年2回 / 年間2,000円分)

  • 500株以上

majicaポイント 2,000円分(年2回 / 年間4,000円分)

これらの優待を受け取るためには、それぞれの権利確定日(6月末・12月末)時点で、1単元(100株)以上の株を持っている必要があります。

また、進呈されたポイントの受け取りや、新しくなった株主専用の各種サービスを利用するには、スマートフォンアプリの「majicaアプリ」への会員登録が必要になりますので、あらかじめ準備しておくとスムーズです。

1.2 2025年12月末権利分からの変更点

同社の株主優待は、2025年10月1日に行われた「1株を5株にする株式分割」をきっかけに、2025年12月31日を基準日とする分から内容が新しくなりました。

以前の制度(2025年6月末の基準日まで)では、100株以上持っていれば誰でも一律で2,000ポイント(年間4,000ポイント)がもらえていました。 新しい制度では、株をより買いやすい価格に引き下げて多くの人に株主になってもらうと同時に、持っている株数に応じた段階的なポイント付与(300ポイント、1,000ポイント、2,000ポイント)に整理されています。

さらに、2025年12月末の基準日からは、パンパシHDのファンになってもらうための「体験型株主優待メニュー」が新しく加わりました。

新しい特典では、グループ店舗でのお買い物金額に合わせて、人気のプライベートブランド「情熱価格」の商品と交換できる「デジタルスタンプカード」が用意されています。500株以上を保有している株主ならスタンプが2倍貯まる特典もあります。

このほかにも、自社イベント(「ドンコスフェスティバル」やPB商品の体験会、目黒川でのお花見会など)への抽選招待や、ドン・キホーテ名物の手書きPOPライターがデザインしてくれる「手書きPOPメッセージカード」のデジタルプレゼントなど、ユニークな企画がラインナップされています。

全国の主要都市で開催される「個人株主向けIR Day」への抽選招待もあり、企業をぐっと身近に感じられる魅力的な優待プログラムへと進化しています。

2. 届く時期と優待の使い方は?6月末権利分なら「9月下旬ごろ」到着予定

優待を受け取るための「クーポンコード(ギフトコード)」は、年に2回、配当金のお知らせなどが入った郵便物に同封されて届きます。

届く時期は、6月末に株を持っていた方には9月下旬ごろ12月末に株を持っていた方には翌年の3月下旬ごろを予定しています。

手元にコードが届いたら、次の簡単なステップでポイントをチャージして使います。

ここで、使うときの注意点をいくつかご紹介します。

  • 期限に注意:届いたクーポンコードの入力期限は、郵便物の発送から約1年間です。また、チャージしたmajicaポイント自体も「最後にポイントが動いた日から1年間」が期限となるため、早めに登録してお買い物で使ってしまうのが安心です
  • 使える端末:アプリが動作するのはiOS 16.0以上、Android 10.0以上のスマートフォンのみです(2026年3月時点)。パソコンやタブレット、折りたたみ式のガラケーなどでは登録できないため気をつけましょう
  • 紛失はNG:届いたコードを失くしたり、うっかり捨ててしまったりした場合、再発行は一切してもらえません。チャージするまでは大切に保管する必要があります

3. 使える場所は?

チャージした「majicaポイント」は、1ポイント=1円分として、全国にある以下のグループ店舗でのお買い物に使えます。

  • ドン・キホーテ
  • MEGAドン・キホーテ
  • アピタ
  • ピアゴ

ほとんどのいつものお買い物に使えて大変便利ですが、ネット通販などの一部サービス、お店の中に入っている一部の専門テナント、切手やタバコといった一部の商品についてはポイントで支払えない場合があるため、お会計の前に確認しておくと安心です。

4. 権利確定日・権利付き最終売買日はいつ?

株主優待を受け取るには、特定の「権利確定日」に株主名簿に名前が載っている必要があります。

ただし、株を買ってから実際に名簿に載るまでには2営業日かかるため、権利確定日より2営業日前にあたる「権利付き最終売買日」までに株を購入して持っておく必要があります。

2026年のスケジュールは以下のようになっています。

【2026年6月末基準】
6月26日(金)権利付き最終日 / 6月29日(月)権利落ち日 / 6月30日(火)権利確定日

【2026年12月末基準】
12月28日(月)権利付き最終日 / 12月29日(火)権利落ち日 / 12月30日(木)権利確定日

5. 2026年6月期3Qは増収増益、4月にOlympicグループとの経営統合を発表

同社の足元の業績は堅調です。5月13日に発表した2026年6月期第3四半期連結決算は、売上高が前年同期比8.2%増の1兆8,265億円 、営業利益が同6.9%増の1,375億円と、増収増益で着地しました。中東情勢に伴う生活防衛意識の高まりに対し、機動的な価格戦略や免税売上の好調により既存店が牽引。利益面でもセルフレジの稼働やマルチタスク化による労働生産性の改善が奏功し、人件費や販管費全体の抑制が大きく貢献しました。

売上は計画を上回っており、営業利益でも通期計画の達成確度が高まっています。もっとも、中東情勢の先行き不透明な状況を見据え、通期計画は据え置きとしています。

成長をさらに加速させる一手が、4月に発表したOlympicグループとの経営統合です。7月に株式交換による完全子会社化を予定しており、伸びしろの大きい首都圏の店舗網を一気に拡大します。今後は同グループの好立地な店舗を「ドン・キホーテ」や食品強化型の新業態「ロビン・フッド」へ転換。長崎屋やユニーの再建で培った業態転換ノウハウを注入し、最重要地域である首都圏でのシェア拡大と相互のシナジー創出を狙うとしています。

6. パンパシHDの6月8日終値は839.3円

パンパシHDの最新の株価値動きをチェックしましょう。

8日の東京株式市場では半導体やAI関連株が売られる一方、小売りやエンタメ関連銘柄などが物色され、パンパシHDは3日続伸となりました。

  • 株価(終値):839.3円
  • 前日比:+0.89%
  • 始値:846.9円
  • 高値:856円
  • 安値:829円
  • 出来高:10,968,100株
  • 時価総額:2,666,705百万円
  • 売買代金:9,239百万円
  • PER(会社予想):23.44倍
  • PBR(実績ベース):3.67倍
  • 配当利回り:1.01%

6.1 パンパシHDの年間チャート

過去1年間の株価推移の概況は以下の通りです。

株価は2025年8月19日に上場来高値1,139.4円、2026年3月11日には年初来高値1,067円をつけました。その後、第3四半期の決算発表を終えての材料出尽くし感や、半導体・AI関連株への資金流入などで、6月2日に年初来安値794.7円まで値下がりしました。

直近は800円台を回復して推移しており、急な値下がりからいったん落ち着きを取り戻しつつ、これからの回復に向けた底堅さがあるかどうかを見守る局面にあります。

パンパシHD株の年間チャート1/1

パンパシHD株の年間チャート

出所:各種資料より筆者作成

7. まとめ

飲食料品の値上げが続くなか、日々の出費を少しでも抑えたいという「生活防衛」の意識が一段と強まっています。

株式市場でも、こうした世の中の変化に強い企業や、家計を直接応援してくれる「株主優待」がある銘柄に注目が集まっています。

これからの銘柄選びや市場の動きを見るうえで、押さえておきたいポイントを分かりやすく整理しました。

7.1 毎日の買い物で使える「実用的な優待」が人気

物価高のいま、特に人気を集めているのが、お店での買い物にすぐ使える電子マネーやポイント、食事券などがもらえる優待です。

6月末に優待のタイミングを迎えるパンパシHDでは、ドン・キホーテなどで使える「majicaポイント」がもらえます。さらに、体験型株主優待メニューが加わり、お店に通うのが楽しみになる工夫が取り入れられています。

物価高の環境下においても、戦略的な工夫で顧客の支持を集められる企業は、極めて高い競争力を維持していると言えます。パンパシHDを例に見ると、免税売上の伸長やセルフレジ導入によるオペレーション改善が奏功し、しっかりとした増収増益を達成しています。さらに、7月に予定されているOlympicグループとの経営統合のように、店舗ネットワークの急速な拡大を図る「攻めの姿勢」も、今後の成長ポテンシャルを測る上で重要なカギを握っています。

6月末の優待や配当を手に入れるには、それぞれの企業が指定する期日(権利付き最終日)までに株を持っておく必要があります。2026年6月末基準の場合は、6月26日(金)がその期限となります。

なお、株主優待の内容や実施される条件は変わることもあるため、実際に検討される際は必ず企業の公式サイトなどで最新の情報をチェックし、ご自身の判断で行うようにしてください。

権利が過ぎたあとの株価の値動きなども含め、事前の確認が大切です。

【免責事項】

  • 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。投資判断は最新の決算資料や市場動向などをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
  • 株主優待の内容や条件などは変更される可能性があるため、必ず公式サイトでご確認ください

参考資料