5. 支給日のリアルな数字を我が家の現在地とし、最新の制度緩和を追い風にした賢い生活防衛を

6月15日の支給日に振り込まれた新しい受給額や、統計データが示す「月額15万円以上」をもらう人の割合を目の当たりにして、ご自身の老後プランにどのような感想を持たれたでしょうか。

年齢とともに年金という固定収入への依存度が高まる一方で、現役時代の働き方の差がそのまま受給額の格差となり、額面通りに生活費へ回せるわけではないというシビアな現実がはっきりと浮かび上がってきたはずです。

物価高の波が収まらない現代において、ただ「足りない」と不安に震えているだけでは、現役時代に築いた大切な資産の目減りを防ぐことはできません。

しかし、見方を変えれば、今年4月から在職老齢年金の基準額が大幅に引き上げられたことは、現役シニア層にとって「年金カットを気にせず、意欲と体力に合わせてしっかり稼げる」チャンスの到来を意味しています。

まずはご自身の家計簿を今一度作り、我が家の正確な不足額(赤字幅)を可視化してみてください。そして、その穴を埋めるために、健康なうちは無理のない範囲で働き続けて収入をキープする、あるいは今ある預貯金を新NISA等で賢く運用しながら資産寿命を延ばすといった、自発的な対策へ今日からシフトしていきましょう。

ご自身だけでなく、定年を控えたご家族や離れて暮らす親御さんとも「これからは働きながら年金を満額もらいやすくなった」という情報を共有し、損のない選択肢を互いに声掛けして見つけ出してください。

現状を正しく把握し、国の新しいルールを味方につけることこそが、これからのインフレ時代を安心して歩んでいくための盾となるはずです。

参考資料

加藤 聖人