5. 来週の初回振込をスタートラインに。最新の制度変更を味方につけた賢いシニアの就労・家計防衛術
来週6月15日に迫った引き上げ後初の年金振込は、インフレに直面するシニア世帯にとって貴重な底上げとなります。
しかし、受給額の分布データが示す通り、ひとりで「月額15万円」の壁を越えられるのは長年会社員として勤め上げた層が中心であり、特に女性において少数にとどまるという厳しい格差の現実があります。
物価高のスピードに対して年金の伸びを抑える調整(マクロ経済スライド)が行われている現代において、国の年金だけに頼る生活設計はリスクを伴います。
だからこそ重要になるのが、2026年4月に緩和された在職老齢年金制度の最新ルールの活用です。
年金がカットされ始める基準額が「65万円」へと大幅に引き上げられたことで、これまで「働き損」を懸念して労働時間をセーブしていたシニア層も、年金の全額受給を維持しながらしっかりと給与を稼げる環境が整いました。
まずは今週のうちに手元の通知書を確実に開封し、ご自身の現在の正確な受給額を把握してください。
そのうえで、最新の緩和ルールを念頭に置いた勤務シフトの再設計や、新NISAなどを取り入れた自助努力による補填など、できる対策から具体的に行動を起こしていきましょう。
制度変更の仕組みを正しく味方につけることこそが、これからの長いセカンドライフの家計を安定させる土台となります。
参考資料
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 日本年金機構「国民年金保険料」
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「国民年金保険料」
- 厚生労働省「令和8年4月分からの年金額等について」
- 厚生労働省「在職老齢年金制度の見直しについて」
加藤 聖人