6. 老後家計の大きな負担「介護費用」には、いくら備えるべきか
75歳を超える後期高齢期において、老後資金を検討する際に見過ごせないのが「介護に伴う支出」です。
医療費とは異なり、介護費は発生する時期や期間、内容に大きな個人差があるため、予測が難しい支出項目といえます。
将来の負担を現実的に捉えるためには、平均的な費用だけでなく、長期化のリスクや家族への影響も含めて考えておくことが重要です。
6.1 介護にかかる初期費用と月々の費用の目安
公益財団法人生命保険文化センターの調査(2024年度)によると、介護が始まるときには住宅の改修費や介護用ベッドの購入などで、初期費用として平均約47万円が必要になります。
その後も、月額で平均9万円程度の支出が継続的に発生します。
さらに、介護保険制度によって自己負担は一定程度軽減されるものの、食費や居住費、日用品といった制度の対象外となる費用も多く、実際の負担は軽視できません。
加えて、「介護費用がまったくかからなかった」とする世帯は17.5%にとどまっており、多くの家庭で何らかの費用負担が生じていることがわかります。
介護は一部の特別なケースではなく、多くの人にとって現実的に備えるべき支出項目といえるでしょう。
6.2 介護期間の平均は?長期化リスクも視野に
同調査によると、介護が必要となる期間の平均は約4年7カ月とされています。
一般的には5年前後が一つの目安とされますが、これはあくまで平均値です。
健康状態や症状によっては、介護期間が10年以上におよぶケースもあり、特に重度の要介護状態では長期化する傾向が見られます。
このように期間のばらつきが大きい点は、老後資金を考える上で重要な視点となります。

